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安本竜二(法大・内野手) 春6本塁打でブレークしたストイックな右のスラッガー

 

右の長距離打者は、どの球団も補強ポイントして上がるポジションだ。今春、東京六大学でリーグタイの5戦連発を含む計6本塁打で一躍、脚光を浴びた。3年間苦しむも、それが力の源になっている。
取材・文=岡本朋祐、写真=宮原和也

パワーヒッターの評価を受け、4年生にして初の大学日本代表入り。日本開催で3大会ぶり19回目の優勝を経験した


 最終学年の春のシーズンを経て、取り巻く環境が一変した。初めて三塁のレギュラーに定着した今春、東京六大学リーグタイの5試合連続アーチを放ち、周囲を驚かせた。計6本塁打を記録して初のベストナイン(三塁手部門)を受賞すると、活躍の場は法大にとどまらない。大学日本代表として、侍ジャパンのユニフォームに袖を通した。春の開幕から約4カ月で、大学球界を代表する右のパワーヒッターへと飛躍を遂げたのである。

 静岡高では2年夏から3年夏まで3季連続で甲子園出場。3年時は主将を務め、名門校を引っ張った。同期の正捕手・堀内謙伍が高卒で楽天へ入団し、1学年下の中堅手・鈴木将平西武からドラフト指名を受けた。「野球界の一番トップにいるわけで、すごく刺激になります」。

 選手層の厚い法大では「我慢」の日々が続いた。2年秋まで出場1試合。レギュラー定着には至らず、3年秋までに通算11試合で21打数7安打。ヒットを記録したのは3年春のみであり、同秋は3打数無安打と力を出し切れないまま、大学野球も1年を残すのみとなった。

 好きな言葉は「感謝」。静岡の故郷のほか、周囲からの期待を当然、感じている。この現実から逃げるわけにはいかない。必死にこらえて、目の前の練習を黙々とこなすしかない。高校で同期の堀内は昨年10月、侍ジャパンU-23代表でプレー。安本は国内最終合宿(JX-ENEOSグラウンド)に、練習サポートとして参加した。堀内はチームに合流しておらず、再会とはならなかった。だが、堀内以外、同世代から多くの影響を受けた。

「(最終学年の)来年は、頑張ります」

 短い言葉から強い決意を・・・

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