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稲垣誠也(日本通運・内野手) 俊足を前面に押し出すユーティリティープレーヤー

 

器用であり、ベンチに置いておきたい職人肌だ。高校、大学、社会人と大舞台を経験。心身ともにタフなタイプであり、しかも内、外野ソツなく守れる武器がある。大卒2年目。完成度の高い好選手だ。
取材・文=大平明 写真=BBM

稲垣誠也は、攻守走の三拍子がそろう。社会人でも屈指の俊足はさらにスピードが増している


 俊足巧打の内野手として活躍し、高校、大学、社会人とすべてのカテゴリーで全国大会を経験。明豊高では1年夏に甲子園出場を果たし、関西高との3回戦では2安打を記録している。中部学院大では1年秋に明治神宮大会へコマを進め、一番打者として8強進出に貢献。また、岐阜県リーグでは3年春から4季連続で盗塁王となり、4年春には持ち前のパンチ力を発揮して本塁打王に輝いている。さらに4年秋には首位打者と、数多くのタイトルを獲得してきた。

 日本通運でも新人でレギュラーを獲得。昨夏の都市対抗では2歳上の兄・翔太が在籍するホンダ熊本との1回戦で2安打を放つなど、高い実力を見せてきた。だが、昨秋は日本選手権の関東地区予選で敗退すると「日々、練習を積み重ねていましたが、シーズンで目標となるものがなくなってしまい苦しかった」と、これまで感じたことがなかったほどのモチベーション低下に悩まされたという。

 流れが変わったのは、11月だ。JABA(日本野球連盟)が将来の日本代表選手の発掘や育成を目的に開催した全日本ジュニア強化合宿に参加。「いろいろなチームから集まってきた若い選手たちとコミュニケーションを取って話を聞いているうちに『また、頑張ろう』『自分も負けていられない!』という気持ちになりました」と同年代の選手から刺激を受け・・・

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