攻守走の3拍子で勝負できる総合力の高い内野手だ。高校時代は甲子園に2度出場し、名門・東北福祉大では日本一を経験。多くの場数を踏んでおり、今春のシーズンのブランクも問題にはならない。
取材・文=高橋昌江　写真=矢野寿明


「プロ野球選手になりたい」。大学では、その一点だけを見つめてきた。攻守走の3拍子がそろった内野手としてドラフト候補に名前が挙がる元山飛優。幼稚園から続ける「アマチュア野球の集大成」として今年のスタートを切ったが、新型コロナウイルスの影響により、キャンプやオープン戦は中止となった。自校グラウンドで練習や紅白戦を行ってきたが、4月上旬には東北福祉大の寮が閉鎖され、部員たちは故郷に帰った。元山も実家がある大阪へ帰省。2年ぶりの大学日本一を目指していた大学選手権、仙台六大学春季リーグ戦も中止となったが、野球の土台を身につけた生駒ボーイズのグラウンドや公園で体を動かしてきた。

　元山の守備は「プロレベル」と評価するNPBスカウトが多い。打球への反応、捕球、強いスローイングと一連の動作が流れるようにスムーズで、アウトを重ねる。小学生時代は主に捕手。中学に入って内野を守りはじめると・・・