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小原大樹(徳島インディゴソックス・投手) MLB挑戦を経て激動の1年過ごしたトルネード

 

花巻東高ではエンゼルス・大谷翔平と同級生。甲子園には2回、出場した。慶大、日本製紙石巻を経てMLB挑戦。だが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響もあり、帰国して独立リーグでプレーする。NPBドラフトを静かに待っている。
取材・文=高田博史(スポーツライター) 写真=佐藤友美

今年9月で26歳。NPB入りへ、残された時間は決して長いとは言えない


 今年の四国アイランドリーグplusにおいて、注目される選手の1人である。小原大樹の挑戦も、いよいよ最終段階に突入した。

 徳島インディゴソックスでは、左の中継ぎとして実績を積んでいる。昨年、社会人時代から徐々に低くなっていた腕の角度は、徳島で完全にサイドスローとなった。打者に背番号「29」を見せつけるように、背中を向けてセットするトルネード気味のフォームは、四国のファンにも、お馴な染じみとなっている。

 10月6日、筑後市で行われた対ソフトバンク三軍3回戦では、2イニングを投げ無失点、2つの三振を奪う好投で、今季5つ目のホールドを獲得した。

 花巻東高では大谷翔平(エンゼルス)と同期だった。慶大から日本製紙石巻に進んだあと、プロへの夢を捨て切れず、昨年12月に退社する。同時にメジャー挑戦のため、渡米した。

 6月に徳島へ入団するまでの半年間、時代に翻弄されている。

 1月は「お前が本気で挑戦するなら、協力してあげようと思えた」と申し出てくれた花巻東高の先輩、菊池雄星(マリナーズ)らが行っていた、アリゾナ州での自主トレに参加した。ホームステイしながら練習を続け、3月にMLB3球団のトライアウトに参加したが入団には至らなかった。そのままアメリカの独立リーグでプレーする道を探っていたが、新型コロナウイルスが広がり始めたため、帰国の途に就くことを余儀なくされた。

需要に応えるため持ち味を模索


 地元・岩手でトレーニングを続けながら、プレーできる環境を探していた際、最初に練習に参加させてくれた球団が徳島だった。7年連続でNPBに選手を輩出している実績がある。現実的に見て、「NPBを狙うのなら、可能性が高いのはここだ」と考えた。6月13日に入団が発表され、ようやく捕手に向かって投球練習ができる環境を手に入れた。26歳の挑戦に、時間的な余裕はない。吉田篤史監督(元ロッテほか)と今季の方向性を話し合う中で、「より個性を出そう」と、トルネードのサイドスローにすることを決めている。「年齢的には社会人でも4年目なので、すぐNPBの球団が必要とする需要にフィットできるようにしたい。左打者は、徹底的に抑えないといけないです」

 コロナ禍のため、・・・

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