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彦坂藍斗(享栄高・外野手)「対応力」に長けたミート抜群の中距離打者

 

左打席から快打を連発。どんな投手も苦にせず、難しいコースもヒットゾーンに運んでしまう。優れたバットコントロールは、日々の練習の賜物である。愛知屈指の強打者は高卒でのプロを狙っている。
取材・文=小中翔太 写真=宮原和也

ヘッドを落として変化球を打ったり、ヘッドを利かせてスライダー系のボールをつかまえたりもできる。バットコントロールに才能を感じる


 三番・河合完治(のち法大、トヨタ自動車)、四番・堂林翔太(現広島)、五番・磯村嘉孝(現広島)。2009年夏の甲子園を制した中京大中京高は超強力クリーンアップが看板だった。当時、指揮を執っていた大藤敏行監督は18年8月から、県下のライバル・享栄高で指導に当たっている。21年の享栄打線と09年の中京大中京打線を比べると、総合力では「こっちのほうが上」と、絶対的な自信を持つ。このラインアップで広角に強い打球を飛ばせる三番・彦坂藍斗はドラフト候補にも挙げられる、左の強打者だ。

 彦坂は幼稚園のときに兄の影響で野球を始め、中学時代には愛知豊橋ボーイズの主軸として日本一に輝いた。ポジションは小学校時代に投手と遊撃を務め、中学から外野に転向。五番・右翼が定位置だったが、強肩自慢で登板すれば138キロを投げ込む右腕でもあり、ボーイズ春季全国大会優勝の瞬間はマウンドで迎えた。

「下級生のころから試合に出てたんですけど、体が細く、全然、結果が出なくて……。自分たちの代になって高校の進路のことも考えて、もっと成長したいと思い、練習量を増やして、体重も増やして、日本一になれたのはうれしかった」

 成長の3年間を過ごし、享栄高へ進学。

「先輩がいたこともあるんですけど、一番は室内とか環境が良いと聞いていたので、それで決めました。中学と高校では体つきもパワーも違う。でも、1年春から出たい気持ちがあったので、そこは負けないようにやりました」

 その言葉どおり・・・

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