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2021ドラフト候補クローズアップ スカウト熱視線のプロ注目プレーヤー

翁田大勢(関西国際大・投手)独特な腕の位置から投じる152キロ右腕

 

リーグ戦での実績は、多いほうではない。しかし、複数のNPB球団はスリークォーター右腕をドラフト候補にリストアップする。大学の先輩であるロッテ益田直也をほうふつとさせる球のキレを誇る。
取材・文=沢井史

阪神大学野球連盟に在籍する関西国際大。天理大、大体大と群雄割拠のリーグ戦において力をつけてきた[写真=宮原和也]


翁田大勢」の名は高校時代、早い段階から県内で広がっていた。なぜならば、4歳上の兄・勝基は西脇工高のエースだったからだ。2013年夏には、春夏を通じ初の甲子園初出場へ導き、初戦突破に貢献した右腕である。翁田は、兄を追って同校の門をたたいた。1年春からベンチ入り。体格が似ていることから、兄弟で比較されることが多かった。

「兄は、スピードはそこまで速くないですけど、ゲームを作れる投手でした。一方で、自分は球速が出ても……。抑えた実績が少ないんです。好対照でした」

 幼いころから「投げることも打つことも好き」だった野球少年。試合では常に投打の中心に立ち、類いまれな運動神経は、地域でも際立っていたという。西脇工高でも打撃センスが見込まれ、1年夏から四番・一塁のレギュラー。2年夏は左翼を守り、1学年上の左腕・武次春哉(関西国際大-日本生命)を支えた。3年夏は四番・エースで大黒柱を担ったが、県大会5回戦敗退。3年間で、兄に続く甲子園の土を踏むことはできなかった。最速147キロ。プロ志望届を提出したものの、無念の指名漏れに終わっている。

フォーム修正が素材開花の要因


 関西国際大でも下積みが続いた。鈴木英之監督は、大学入学当時を振り返る。

「高校時代は力任せに、ただ速いボールを投げたい、と腕を振っていました。でも、大学や(オープン戦で対戦する)社会人のバッター相手では、ただ速いだけのボールでは通用しません。一生懸命、練習はしていましたが、まだ大学のレベルではないと思いました」

 実戦登板で反省点を見つけ、練習では課題を一つひとつ克服するのと同時に、体づくりに時間を割いた。翁田は言う。

「オープン戦では・・・

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