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松本渉(東洋大・外野手)白球と向き合うヒットメーカー

 

東都大学一部リーグの個人通算最多134安打達成を胸に、東洋大へ進学し、3年春までに50安打を重ねた。だが、リーグ戦中止、二部降格と厳しい現実。それでも、ひたむきに努力できるのは、プロ入りという明確な夢があるからだ。
取材・文・写真=名波萌々子

松本の行動の端々には、強い意志と野球への熱量があふれている


 独善――。「他人のことは無視して、自分の利益だけを優先させようとする考え。客観性はないのに、自分の考えだけが正しいと思いこむこと」(新明解国語辞典)

 つまり、独り善がり。快い印象を与える言葉とは言い難い。しかし、東洋大・杉本泰彦監督は、この言葉を送った。

「周りに合わせるのではなく、自分が正しいと思った行動をしてほしい。皆より早くグラウンドに出て、準備する。最後まで残って、バットを振る。そういう姿を見せてほしい。監督の真意はそこにあると思います」

 ベンチから守備位置に向かって颯爽(さっそう)と走る姿には、野球に対する実直さが表れている。「ベンチ前の集合、試合前ノックも誰よりも早く行く。意識しています」。まさに、指揮官が求める「独善」だ。そして、底知れぬ貪欲さ。それこそが、松本渉の野球との向き合い方である。

「負けず嫌いなんです。相手投手が自信を持っているボールをどのコースでもヒットにする。これが僕の求める完璧。常に完璧を求めて、少しでも近づきたい。練習が楽しいとは思いません。でも、そこで自分に負けたら結果は出ない。継続することで成長できます」

 甘いボールは逃さず、引っ張って長打に。外角球は逆らわず、レフト前へ運ぶ。追い込まれてからは・・・

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