四番・捕手で主将。文字どおり、チームの顔だ。地元の高校ではなく、父が部長を務める古豪へ進学。43年ぶりの夏の甲子園出場を夢見て、汗を流している。 取材・文=守田直樹 写真=上野弘明 二塁送球1.9秒台の強肩。1年秋から正捕手と実戦の経験値も武器である
関門海峡をのぞむ下関市にある豊浦高の捕手・
岩城亜斗夢は
ソフトバンク・
甲斐拓也を尊敬してきた。
「功は人に譲れ」
という故・
野村克也氏の言葉を座右の銘にしているようなところである。
試合に勝てば投手のおかげ、負ければサインを出した捕手の責任という、理不尽な役回りに徹しなければならない。
「甲斐選手は自分の考えをピッチャーに押しつけるのではなく、ピッチャーの考えを優先したなかでの配球、気配りがすごい。甲斐選手のように、チームに信頼されるキャッチャーになりたいです」
野球を始めたのは小学1年生のとき。4歳上の兄が所属する少年野球チームについて行き、捕手の姿に魅せられた。
「マスクやプロテクターをつけた姿が、すごく格好良く見えました。兄がキャッチャーで、父も現役時代はキャッチャーだったので、自然にあこがれたと思います」
豊浦高の野球部長を務める父・嘉行さんの野球好きは3人の息子の名前に表れている。長男は「
巨人の星」の主人公の
飛雄馬、三男は
イチロー(元マリナーズ)と誕生日が同じだったため伊知朗と命名。ただし、次男だけが「鉄腕アトム」にあやかった亜斗夢。野球とは無縁な理由について嘉行さんは・・・
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