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金村尚真(富士大・投手)自らの未来をつくる149キロ右腕

 

高校は岡山で切磋琢磨し、大学4年間は富士大のある岩手県花巻市で鍛錬している。先発投手としてゼロに抑えることをテーマにしており、ゲームメークに長ける。
取材・文=高橋昌江 写真=井沢雄一郎

昨年は全日本大学選手権に出場したが、秋は代表決定戦敗退で、明治神宮大会への出場を逃した。悔しさはこの春に晴らす


 完全試合で始まった3年生のシーズンは、3点のリードを守り切れず、最後は逆転負けで終わった。制球力が持ち味の最速149キロ右腕・金村尚真は「メンタルもそうですけど、技術もまだまだ。もっと、圧倒的な技術があれば抑えられると思います」と、ストレートのスピードと質の追求を冬場に課した。「分かっていても、打たれない真っすぐ」を理想とし、目標は「勝てるピッチャーになる」こと。来たる、学生野球ラストシーズンで実現するため、地道な研鑽(けんさん)の日々を送る。そして、夢にも向かう。

 沖縄で育った金村の夢は、野球を本格的に始める前からプロ野球選手。野球好きの祖父と父の影響で、物心がついたときから野球は身近な存在だった。小学3年から豊見城ジュニアに入団し、6年生から投手に。豊見城中では「硬式だとケガの心配もある。ピッチャーをやりたかったので、将来を見据えると軟式のほうがいいのかなと思いました」と部活を選んだ。この選択が金村の人生を広げることになる。

 3年夏、横浜スタジアムで開催された全日本少年軟式野球大会で日本一に輝いた。野球部、クラブチーム、地域の選抜チームによる各地の予選を突破した16チームが出場し、豊見城中は3月の県予選で優勝しての初出場だった。金村自身にとっても「初めての全国大会」だったため「どのくらいのレベルなのかも知りませんでした。とりあえず、1勝を目指してという感じだったんですけど、意外と勝ち進んで……」と快進撃を見せる。

日の丸を通じて県外を意識


 エース・金村は強豪・高知中(四国・高知)との1回戦を1安打完封すると、続く準々決勝の関西学院中クラブ(近畿・兵庫)も無失点。茨城オール県南(関東・茨城)との準決勝は特別延長8回を2対1で制した。初戦から準決勝の8回裏に1点を失うまで、21イニング連続無失点の快投で頂上決戦に導いた。準決勝と同日の決勝には捕手で出場。4対0の7回二死、最後の打者が空振り三振し、金村はウイニングボールを捕球した。「全国大会に出て優勝できたというのは、自信につながっています」

 さらに・・・

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