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友杉篤輝(天理大・内野手)攻守走三拍子そろう万能遊撃手

 

昨年6月の全日本大学選手権では「8割バッター」として注目を浴びた。安定感のある遊撃守備に、打席では三振の数も少なく、計算ができる選手だ。抜群の脚力を前面に、アピールを続ける。
取材・文=沢井史 写真=宮原和也

ミートがうまく、転がせば俊足で、内野安打も期待できる。好不調の波が少なく、高打率が残せるヒットメーカーだ


 その瞬間、目の前が真っ暗になった。

 明治神宮大会出場2枠を争う関西選手権。龍谷大との準決勝の4回だった。一塁走者が盗塁を試みて二塁を陥れようとしたところ、走者の足が、ベースカバーに入った天理大の遊撃手・友杉篤輝の左ヒザ側部を直撃。友杉はその場でうずくまって動けなくなり、そのまま退場。左ヒザを16針縫う大ケガを負った。

「縫合後の痛みよりも、骨折しているような痛みのほうが強くて、とても歩行できる状態ではなかったんです。ケガをした直後は(相手走者の)スパイクの歯が足に刺さった痛みよりも、骨が折れているなという感覚がありました」

 整形外科で診察すると、左足の腓骨を骨折していることが判明。明治神宮大会を逃したチーム本隊から離れ、しばらくは不自由な生活が続いた。少しずつ歩けるようになったのは12月末。1月半ばにはジョギングを開始し、2月下旬にノックに加われるようになった。ボールの感覚を失わないように、松葉杖をついていたときから軽いキャッチャボールを継続。常に戦う気持ちを持ち続けたが、当時の喪失感はいまでも忘れてはいない。

「本当は神宮大会と(12月に行われた)日本代表候補合宿(愛媛・松山)でアピールして今年につなげるつもりだったので……。ケガで離脱することになったときはすごく、ショックでした」

 1年春からリーグ戦出場し、3節目からは先発に名を連ねた。友杉の最大のセールスポイントは足だ。171センチと小柄だが、50メートル走6秒の快足を生かした走塁、守備には目を見張るものがある。一方で、パワー不足が課題と言われた。高校時代からウエート・トレーニングに力を入れているが・・・

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