駒大4年時にプロ志望届提出も指名漏れ。大学の先輩が監督として率いる社会人に進み、2022年は再びプロに挑戦する。入社1年目で実績を上げており、2年目の進化を証明していくつもりだ。
取材・文=大平明　写真=佐藤博之


　186cm93kgの堂々とした体格。竹本祐瑛が長身から投げ下ろす角度のある真っすぐは、最速150キロを誇る。ポテンシャルの高さは早くから認められており、八戸西高時代はエースで三番と投打の軸となり、3年春の県大会優勝。駒大では1年春からリーグ戦(二部)で登板。一部に昇格後、3年春からは主戦投手として先発、救援でフル回転した。4年時にプロ志望届を提出するものの、ドラフト会議での指名はなくJR東日本東北へ進んだ。大学3年からは大きな体を生かし、ワインドアップで投げている。

「社会人に入ってからはずっと細かなフォームの修正に取り組んできました。先輩やコーチ、バッター陣からもいろいろと話を聞いたので、とてもためになったと感じています」

　最も気にかけているのは、軸足で立った際のバランスだ。「これまでは右足にタメを作ってから前へ体重移動して投げるということがしっかりとできていなかったんです。それで、1シーズンかけてずっと練習してきたのですが、昨年10月の都市対抗の予選からやっと良くなってきました」と大学時代は上げた左足を二段モーション気味にわずかに上下させてから投げていたのを、現在は一瞬だけ静止してから投球に入るようにしている。

　都市対抗東北二次予選ではレベルアップした姿を見せ、第1代表決定トーナメント・準決勝(対きらやか銀行)では11奪三振の完封勝利(1対0)。2日後に行われたTDKとの第1代表決定戦では8回からリリーフで起用され、試合を締め、東京ドーム切符をつかんだ。全3試合に登板し15イニングを投げて無失点。「社会人になってストライクゾーンで空振りが取れている」と16奪三振で、与四死球ゼロ。「フォームを修正したことでリリースが安定して投げやすくなり、長いイニングも投げられるようになりました」とほぼ完璧な内容で・・・