一番・遊撃手、攻守の要だ。強豪校で下級生時代から経験を積み、3月の対外試合解禁以降からパワーアップを実感。夏に向け、さらに注目を浴びるはずだ。
取材・文=谷上史朗


　東洋大姫路高への異動を前にした岡田龍生前監督と話をしながら、光弘帆高の話題になることがあった。1年秋から背番号6を着け、昨秋から打順は一番。岡田氏の言葉からは、期待ともどかしさが伝わってきた。

「いいものを持っているんですけど、まだまだ出せていない。大会でも、もっと活躍できるし、甲子園にでも出てアピールできれば、彼の人生も大きく広がっていくはず。この春、そして夏にどこまでやれるか、です」

　まず目を引くのは、幾多の好選手を見てきた岡田氏も「高校生ではなかなかいないレベル」と評した肩。普段は物静かな本人も「肩には自信があります。遠くに投げるより低く、強く投げるのが得意。三遊間からの一塁送球と中継プレーが見せ場だと思っています」。ポジショニングは深く、打球への反応も上々。守り姿からは、守備への自信が伝わってくる。

一冬を越えた打球の変化

　一方、対外試合解禁となった3月初め、グラウンドを訪ねたときにはラストイヤーへの思いをこう語っていた。

「守備はある程度評価していただいていると思うので、今年はもっとバッティングを上げていきたい。昨年は秋も夏も公式戦の打率が3割くらいしかなかったので」

　素晴らしい打球を放ったかと思えば、あっさり凡打。昨年までは打席ごとに、内容に大きな差があった。打撃面の成長が先々の評価にも大きく関わってくる。そんなことを思いながら、4月半ば、再びグラウンドを訪ねると・・・