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森山暁生(阿南光高・投手)「一日一生」を心に刻む146キロ左腕

 

昨夏、2年生エースが徳島大会全4試合を投げ統合後初、新野高時代以来、25年ぶりの甲子園出場へと導いた。スケールアップした今夏、プロ入りを目指す。
取材・文・写真=寺下友徳

徳島県阿南市には「野球のまち推進課」があるなど、野球熱が高い土地柄。地元の大応援は森山にとっても、心強い限りだ


 徳島勢には今春、2つの大きな話題があった。センバツ出場した鳴門高は、優勝した大阪桐蔭高との1回戦で、左腕エース・冨田遼弥(3年)が3失点と力投を見せた(1対3)。甲子園での経験を糧に、四国大会では33年ぶりの優勝。明徳義塾高との決勝では延長14回の激闘を制し、あらためて地力の高さを見せつけた。

 そして、もう1つは阿南光高の146キロ左腕・森山暁生の躍進である。昨夏、2年生エースは統合前の新野高時代以来、25年ぶりの甲子園へと導いた。昨秋は四国大会準々決勝で明徳義塾高に涙をのんだ森山は、一冬をかけて「フォームの改善に取り組んできた」と明かす。その成果を春季県大会で発揮。徳島市立高との初戦(2回戦)で自己最速を2キロ更新する146キロを計測し、6安打シャットアウト勝利(1対0)。池田高・辻高との準々決勝では「三振は取りにいかなかった」と振り返ったものの、この春から習得したナックルカーブがよく決まり、20奪三振。47年ぶりとなる大会タイ記録を樹立し、2試合連続完封(5対0)。鳴門渦潮高との準決勝でも先発し、7対2で決勝進出に貢献。徳島商高との決勝では延長11回に力尽きたものの、大会4試合で32回を投げ、奪三振46、四死球6、失点6、自責点5、防御率1.41と成長した姿を披露。大会期間中、NPB全12球団が視察した中で、アピールを見せたのである。

「プロ野球で10〜15年投げていく前提として、これだけ投げるスタミナがあるのはすごく良いこと。加えて右打者のインコースに投げ込めるし、冬を越えて体に芯ができて腕が振れるようになった」と、某NPBスカウトも森山に目を細める。

 プロ注目左腕となったが、中学時代の森山は「ドラフト候補」と呼ばれる現在とは、かけ離れた状況にあった。

地元からの熱心な勧誘


「小学校2年生の時点で、皆から頭一つ背が高かったことから、監督に誘われました」。羽ノ浦パピヨンで軟式野球を始めた。羽ノ浦中入学時には170cm80kgと、大型左腕への期待は大きかった。

 ところが・・・

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