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杉澤龍(東北福祉大・外野手)決意をにじませる天性のバットマン「打席の1球、1球に対して考えられるようになった」

 

仙台六大学の雄・東北福祉大からは、過去に多くのプロ野球選手を輩出してきた。2022年は注目外野手がいる。夏には日の丸を着け、貴重な経験を積んだ。運命の日、10月20日を静かに待つ。
取材・文=高橋昌江 写真=矢野寿明

シュアな打撃で安打を量産。スタンドインする力もあり、注目打者である


 開幕から3試合連続本塁打で、プロに猛アピール――。

 事実だけを見ればそういうことになるが、杉澤龍の心は鈍色(にびいろ)である。

「ホームランは出るんですけど、きれいなライナー性のヒットがないので、そっちのほうが気になるというか。ライナー性の打球をセンターに打ちたいんですけど」

 9月3日から始まった4年秋の仙台六大学リーグ戦。東北工大との開幕試合でソロ本塁打を放つと、2回戦で3ラン。1週空き、プロ志望届を提出して迎えた第3節の宮城教育大1回戦でも3ランを記録した。3試合で5安打10打点。10月10日のラストゲームまで一体、どれくらい打つのかと期待を膨らませたが、本塁打以外は右翼と左翼への安打が1本ずつ。その後の3試合は無安打で、中堅への当たりはアウトも含めてない。9月25日の第4週2回戦で中直、中飛を放つも、「H」のランプを灯すことはできなかった。

「打つときに左肩が下がっている。修正中です」。3年生から、ヒットかアウトかの「結果」よりも打席の内容を考え、動作にも注視してきた。それまでの野球人生は調子の良し悪しによる「結果」だけを見てきたというが、中堅のレギュラーとなった2年生のシーズンが終わったとき、自身を見つめ直すきっかけが訪れる・・・

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