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木村仁(九州共立大・投手)冬の時代を乗り越えた153キロ右腕「真っすぐがダメな日でも、変化球でしっかり試合をつくれるピッチングをしていきたい」

 

小学生時は空手に取り組み、野球を始めたのは中学生になってからだった。そこから頭角を現し、高校で投手に専念すると右肩上がりの成長曲線を描く。大学ではケガから不調に陥った時期もあったが、それを乗り越え、プロに手が届くところまで成長を果たした。
取材・文・写真=内田勝治

常に成長を追い求める姿勢でドラフト候補として注目される選手となった


大学代表で受けた刺激


 苦しかった冬の時代を乗り越え、今まさに大輪の花を咲かせようとしている。8月、木村仁は大学ラストシーズンとなる福岡六大学秋季リーグ戦に向け、福岡県北九州市の九州共立大グラウンドで調整を行っていた。6月には侍ジャパン大学代表に九州の大学から唯一選出され、7月にアメリカで行われた日米大学野球に出場。その疲れも癒え、炎天下の中、自身を追い込んでいた。

「日本代表では周りはドラフトで名前が挙がる選手ばかりだったので、研究するところは研究して、教えてもらうところは教えてもらいました。だいぶ成長できたと思います」

 日米大学野球では5試合中2試合にリリーフ登板。計2回を投げ1失点で2大会連続20回目の優勝の一員にこそなったが、勝ち試合で登板することはなかった。それでもアメリカ打線を相手に、得意のフォークやスライダーといった変化球が通用したことは収穫だった。特に合宿前に投げるコツをつかんだスライダーは手応え十分だった。

「スライダーはこれまで結構前で離す癖があって、そうすると引っかかり過ぎてボールからボールになっていました。日米大学野球の合宿前に、深谷(深谷亮司)コーチ(元オリックス、現九州共立大コーチ)から『ちょっと後ろ気味で離す感じで投げてみろ』と言われて、いい感じで曲がるようになりました」

 青山学院大の右腕2人にも刺激を受けた。今春の全日本大学野球選手権で日本一の立役者となった常廣羽也斗(4年・大分舞鶴高)と下村海翔(4年・九州国際大付高)からは、ジャンプや体幹の練習メニューを教わった。

「2人はそんなに体は大きくないですけど、聞いてみたらジャンプや体幹のメニューをしっかりやっているということでした。今取り組んでいるのは・・・

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