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藤田和樹(延岡学園高・投手)ポテンシャルを秘めた147キロ右腕「何位でも良いので、選ばれたい。とにかく、プロの世界に入りたい」

 

3年間で甲子園の土を踏むことはできなかった。だが、努力してきた事実は変わらない。山口から宮崎で勝負した決断を含め、すべてが正解だった。プロの世界へ飛び込むことだけを考えている。
取材・文=岡本朋祐 写真提供=上野弘明

遠投110メートル、握力は左右とも50キロと基礎体力は申し分ない。鍛え上げたトレーニングの成果を実戦で発揮してきた


 パ・リーグ3連覇の原動力となったオリックス山本由伸は、NPBではすでに無双状態にある。前人未踏の3年連続投手タイトル4冠(最多勝、最優秀防御率、最多奪三振、最高勝率)を達成。山本は岡山から宮崎・都城高でプレーし、2016年開催のドラフト4位でプロ入りした。山口県出身の藤田和樹は同じ宮崎の強豪私学である、延岡学園高の門をたたいた。高校時代に山本を指導した森松賢容監督の言葉だからこそ、説得力がある。

「手足が長いので、由伸よりも可能性があります。打撃にも非凡なセンスがありますし、藤田のほうが、素材は上、今後、秘めたるポテンシャルが引き出せれば、相当な選手になると断言できます」

 今夏は不完全燃焼に終わった。延岡学園高はエース・藤田のほか、4投手を擁して「5枚看板」として前評判が高かった。打撃センスにも長ける藤田は2、3回戦では七番・左翼で先発出場。日章学園高との準々決勝で満を持して先発するが、初回の2人目の打者の打球が直撃し、5球で降板した。後続の3投手が粘って4強へ駒を進めたが、聖心ウルスラ高との準決勝で敗退(12対14)した。藤田は5番手として8回裏の1イニングを投げたが1失点。延岡学園高は5点を追う9回表に3点を返したが、あと一歩、及ばず。準優勝を遂げた2013年以来の夏の甲子園出場はならなかった。森松監督はアクシデントさえなければ、準決勝、決勝は藤田をフル回転させる構想だっただけに、最後は無念の展開となってしまった。だが、野球人生はこれで終わりではない。

捕手から投手転向のお手本


 藤田がプロを意識したのは・・・

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