週刊ベースボールONLINE

ドラフト逸材クローズアップ

徳山一翔(環太平洋大・投手)真っすぐで牛耳る153キロ左腕「ドラフト1位でプロへ行きたい」

 

サウスポーでパワーピッチング。聞いただけでも、魅力的なイメージが沸く。大学3年間で急成長を遂げ、ドラフトに向けて最終学年もアピールを続けていく。
取材・文=大平明 写真=矢野寿明

セットポジションに入る前、左腕を頭上へ伸ばす「エロンゲーション」という動作をしてから投げる


 徳山一翔の名が一躍、全国に知れわたったのは、2022年の明治神宮大会だった。国際武道大との1回戦。初回に二番打者から146キロの真っすぐで空振り三振を奪うと、続く打者はこの試合最速の147キロで三振。さらに、イニングを挟んで2回表も立て続けに三振を奪い、4者連続ストレートで空振り三振に斬って取った。その後もサウスポーから繰り出す力強い速球を武器に、代打を送られて交代するまで7回をノーヒット(2四球)に抑える快投。三振は9つ奪い、そのうち8個はストレートで奪ったものだった。

「相手打線も振ってきましたが、真っすぐが良かったので押していくことができました」。指導にあたっている野村昭彦監督は無安打投球でも、スイッチに一切に迷いはなかった。記録よりも、体力的な部分で最大限の考慮。22年1月に環太平洋大の監督に復帰直後、当時1年生だった徳山の球質に一瞬で心を奪われた。

「キャッチボールを見た時に一目惚れしました。球筋が良く、失速しない。左と右で異なりますが、侍ジャパン大学代表でコーチをしたときに見た森下暢仁(広島)を彷彿させる真っすぐで社会人レベルでも空振りしてしまうだろうと感じました」

 質が高い直球について、徳山は明かす。「小学生のころから遠い距離でキャッチボールをしていて今も70〜80メートルくらい離れてやっているのですが、そのときにシュートしないように意識して投げてきたことが質の良いボールにつながっているのかもしれません」。さらにこだわりを話す。「真っすぐは打者の間を外すためにあえて球速を落として投げることもありますし、逆にピンチの場面ではギアを上げて投げています」。

高3夏以降に球速10キロアップ


 鳴門渦潮高時代は投手だったものの・・・

この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

まずは体験!登録後7日間無料

登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。

逸材発掘!ドラフト候補リサーチ

逸材発掘!ドラフト候補リサーチ

プロを目指す逸材を発掘し、その横顔とプレースタイルを紹介する読み物。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング