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菊地ハルン(千葉学芸高・投手) 夏に照準合わせる2メートル右腕「春の大会では150キロを、夏は160キロのストレートを投げたい」

 

3月の対外試合解禁以降、多くのNPBスカウトが視察に訪れており、MLB球団からも問い合わせがあったという。練習試合では強豪相手にもコンスタントに2ケタ奪三振。夏のブレークを予感させる。
取材・文=上原伸一 写真=川口洋邦

昨年12月に身長が2mに達した。体の成長とともに、ボールの威力も増している


 小学校時代から菊地ハルンのスケールは群を抜いていた。鶴指少年野球部に所属していた6年時に、夏休みの段階で身長が176cm。体重も70kg近くあった。マウンドに立てば、最速113キロの真っすぐを投げ、打っては小学通算で20本を超える本塁打を放った。「スーパー小学生」として、あるテレビ番組で紹介されたこともある。恵まれた体格は両親譲り。趣味でクリケットをしていたパキスタン人の父は192cm、日本人の母も170cmあった。

 中学では高いレベルを求めて、強豪・佐倉シニアへ。千葉・市川の自宅から電車で1時間かけて、平日も週に3日、練習場まで通った。佐倉シニアに入ったのは4歳上の兄(レハン)の影響だ。関東一高OBの兄も卒業生で、中学3年のときには同期の度会隆輝(今年よりDeNA)らとともにジャイアンツカップで優勝した経験を持つ。当時小学5年だった菊地は決勝を東京ドームで見ていた。

「とても感動して、兄と同じチームで日本一になりたい、と心に決めたんです」

 3年時は春、夏とメンバーとして全国大会を経験したものの、大舞台での活躍はかなわなかった。菊地は「公式戦で投げる機会は、ほとんどなかったです」と振り返る。中学3年で身長は190cm近くあったものの、球速は120キロに届かず、同期生で今年のドラフト候補でもある花咲徳栄高・石塚裕惺、帝京高・西崎桔平のように、目立つ存在ではなかった。本人いわく「中学ではただ、体が大きいだけの選手でした」。

 もっとも、鳴りを潜めていたのには理由があった。中学では・・・

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