上武大、白鴎大といった強豪がひしめく関甲新学生一部リーグに、新潟大は国立大として唯一所属する。チームの主砲として、最多安打1度、ベストナインに2度。同大学初のドラフト指名を目指す。 取材・文・写真=岡田浩人 
2年秋には2学年上の上武大・進藤[日本ハム]を抑えて、捕手のベストナインを受賞している
価値あるベストナイン捕手
日本海の潮の香りが風に乗って届くグラウンドで、その男は腕を磨いている。
内野も外野も至る所に青い雑草が目立つ。夜間照明はない。雪国だが室内練習場もない。グラウンドは硬式野球部だけでなく他部とも併用で使うため、練習時間は限られている。決して恵まれた環境ではない。
そんな状況下で田西誓は野武士のごとく“刀”を磨いてきた。最大の魅力は左打席からの一発長打。今春のリーグ戦では4月19日の上武大戦で4回に先制打となるソロ本塁打を放った。
「真ん中低めの真っすぐでした。強いチームから打たなければと思っていたので、本塁打が出たことはよかったです」
上武大、白鴎大といった数多のプロ選手を輩出してきた強豪私立大を中心に、全10チームが頂点を争う関甲新学生一部リーグにあって、新潟大は唯一の国立大である。だが、昨秋には上武大を下すなど、ここ数年は常にリーグの台風の目として存在感を発揮してきた。そのチームの中心にいるのが主砲・田西である。
2年秋には9試合で28打数8安打、1本塁打、打率.286の数字を残した。この年に日本ハムからドラフト2位指名を受ける上武大・
進藤勇也を抑えて捕手のベストナインに輝いた。
翌3年春には三塁手に挑戦。9試合で31打数17安打、1本塁打の成績を残し、リーグ2位となる打率.548をマーク。最多安打のタイトルに輝くとともに・・・
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