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武田高・那須皓太朗(内野手) 可能性秘めた超大型遊撃手「自分の強みとして、ショートを守り続けたい」

 

ほかに例のない魅力的な選手が広島にいる。今夏は広島大会初戦敗退。大舞台の経験値は乏しいものの、3年間は勉強の場だった。将来性にあふれた未完の大器である。
取材・文=井上幸太

8月には北海道で行われた「LIGAサマーキャンプ」に参加。10日間で貴重な実戦経験を積んだ


内野手経験の副産物


 身長190cm体重93kgという超大型遊撃手で、なおかつスイッチヒッター。マウンドで最速142キロを計測する強肩を生かし、三遊間最深部からも鋭い送球を繰り出す。打っては「左右どちらでも飛距離が出せるのが一番の持ち味」という本人評どおり、左右両打席で柵越えを記録。粗削りだが、今秋のドラフト戦線でも“唯一無二”の好素材である。

 中学時代は、筒香嘉智(DeNA)、森友哉(オリックス)らが巣立った強豪・堺ビッグボーイズで投手兼捕手だった。名門の厚い選手層に加え、中学入学後に身長が10cm以上伸びる成長期で日々感覚が変わり、イップスにも悩まされBチーム暮らし。だが、前出の2人を指導した瀬野竜之介代表は、秘められた将来性に着目した。OBが進学するなど交流のあった武田高・岡嵜雄介監督に「控えだけど、面白い選手がいる」と紹介。武田高は、平日の練習時間が約50分と限られるが、徹底したフィジカル強化と、選手の自主性を重視した指導方針を掲げ、内野海斗(ソフトバンク育成)ら2人のプロ選手を生み出し、高校野球界に新しい風を吹かせている。この環境が、当時は長身痩躯だった那須に合うと見たのだ。

 武田高には投手として入学。岡嵜監督が「以前にも長身のピッチャーを指導したことがありましたが、フィールディングで苦労した。なので、そこで困らないように内野手で練習させておこうと」。大型右腕として大成させるための一環として、1年時に遊撃でノックを受けたのが、転向のきっかけだった。

 本人曰く、内野手経験は「中学生の終わりごろに・・・

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