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「対決」で振り返るプロ野球80年史

第11回 8球団のセントラル・リーグ vs 7球団のパシフィック・リーグ

 

既得権を守ろうとする4球団と球団増を受け入れる4球団が正面衝突!打開策なく2リーグ分立の“水増しプロ野球”に


 1948年の、巨人川上哲治青田昇の空前のアーチ合戦によって、ホームランこそプロ野球の華という時代が到来。49年は、ラビットボールの採用もあって874本の本塁打が乱れ飛んだ。48年は49年より総試合数が18試合多いのに、391本。ラビットボールの威力は絶大だった。投手はたまったものではないが、当然リーグ全体の防御率は2.79から3.98に悪化。本塁打王は阪神藤村富美男で46本塁打。前年のファンを驚かせた川上、青田昇の本数より21本も多い。藤村は上半身をボールにぶつけるような打法で、青田のような天性のホームラン打者ではない。それが46発。

 ラビットボール用の打法を身につけたのだろう。野球というスポーツの概念がまったく変わってしまった。ラビットボールの使用は、翌50年までだったが、概念の変化はそのままで、それはいまに続いていると言える。2011、12年と、飛ばない統一球の使用で本塁打が出なくなると、こっそり、飛ぶボールに戻していた、あの問題は、この概念の変化がしぶとく生き残っていたことをいみじくも表していた。

49年、空前の46本塁打でプロ野球の概念を変えてしまった阪神・藤村富美男


 言いかえれば、49年に「現代野球」が始まったとなるのではないだろうか。

 49年は、南海のエースである別所昭(のち毅彦)を強引に引き抜いた巨人が・・・

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「対決」軸から80年のプロ野球史を振り返る読み物。

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