フォークは“神様”川上哲治専用の魔球だった
巨人が1951年から日本シリーズ3連覇を達成したことで、日本のプロ野球は、戦前以上に「巨人のプロ野球」ということになってしまった。その巨人にひと泡吹かせたのが、54年の
中日だった。
中日の前身である名古屋は、プロ野球スタートの36年に参加した老舗チームなのだが、どうにも弱いチームだった。43年に1度だけ2位になったが、あとは、ほとんど下位に低迷。戦後も1リーグ時代は最下位が2度。しかし、2リーグ分立以後は、強チームに成長した。
50年から53年まで4年連続3位以上。これは、49年に明大から加入した
杉下茂がエースとして大車輪の働きを見せたのが大きかった。杉下はルーキーの49年こそ8勝に終わったが、50年以降は27、28、32、23勝と勝ちまくった。51年の28勝は最多勝。グラグラと揺れながら落ちるフォークボールは、打者も泣かせたが、捕手も泣かせた。
どんな落ち方をするのか見当がつかないから・・・
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