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第30回 69〜70年の八百長問題 vs 6人を永久失格処分

 

西鉄は把握していたのに隠し続け、マスコミにスクープされる


 1969年10月8日、読売新聞と報知新聞が、西鉄の永易将之投手が公式戦で八百長行為をしていたと報じたのが発端だった。驚いたパ・リーグは、13日に理事会を開き、永易を永久失格(追放)選手とした。事件の発覚で西鉄は、かなり前から事態を把握していたことを認めた。西鉄は永易に出頭要請を行っていたが、応じなかったという。

 理事会は八百長や暴力団との交際を理由にではなく、出頭要請に応じなかったことと、練習不参加を理由に(統一契約書不履行)永久失格選手とした。さすがにこれではまずいとなり、当時の宮沢俊義コミッショナー委員会委員長は、11月28日、敗退行為(八百長)を行ったことでの永久失格選手とした(永易は行方をくらます前に西鉄球団の調査に対し暴力団関係者から現金を受け取って敗退行為を行っていたことを認めていた。また、西鉄は与田順欣益田昭雄の両投手も暴力団から現金を受け取っていたことも分かっていた)。

 いずれにしろ、永易をコミッショナー委員会が直接査問することが、問題解明への第一歩であることは明らかだった。

 永易は鹿児島、名古屋、北海道と居場所を転々と変えていた・・・

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