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第31回 江夏のオールスター9連続奪三振 vs パ・リーグの打者たち

 

まさかのファン投票選出に発奮 「ファンの作った記録でもある」(江夏)


 今回もまたまた江夏豊(阪神)の登場である。あの、オールスターでの9連続奪三振(71年第1戦、西宮)を、プロ野球80年史が素通りするワケにはいかない。

 71年前半の江夏は不調だった。6勝9敗と珍しい黒星先行。防御率も3.12で投手成績15位。この成績では監督推薦で選ばれる可能性はない。しかし、江夏は選ばれた。堂々のファン投票選出となったからである。得票数1万9348は、12球団投手中のトップ。

「前の年の第2戦(大阪)で8三振を取っている。江夏がまたすごい記録を作るのではないか、という期待感がファンにかなりあったのではないか。その意味ではファンが作った記録でもあった」と江夏はのちに語っているが、確かにファンの期待は大きかった。

 前年の8奪三振はすべて空振り。ここに江夏の奪三振の最大の魅力があった。「打てる!」と思って振ってもボールはバットの上を通り、打者はまさに空しい空振り。胸のすく三振ばかりだ。前年は、5連続奪三振で自分のピッチングを締めている。

 さて71年である・・・

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