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「対決」で振り返るプロ野球80年史

第43回 話題の中心だった長嶋巨人 vs 地味のレッテルが貼られた他球団

 

野村ヤクルトの初Vは長嶋監督の再登場とドラフトでの松井指名でかすむ


「また、アイツにしてやられた」とノムさん(野村克也ヤクルト監督)は舌打ちしたことだろう。

 アイツとは長嶋茂雄巨人監督のことだ。野村ヤクルトは、先週号でも触れたように、92年に、3年計画どおりに花を咲かせて14年ぶりのV。日本シリーズも敗れはしたが、西武に3勝4敗と善戦。しかし、ノムさんが話題の中心だったのはここまで。シリーズ終了の10月26日から約1カ月後の11月21日のドラフト会議で、巨人に復帰した長嶋新監督が、この年の超目玉選手、星稜高の松井秀喜内野手(当時は三塁手)をクジで引き当てたのだ(4球団競合)。

 野村監督もアマナンバーワン投手の伊藤智仁(三菱自動車京都)を引き当てたのだが(3球団競合)、長嶋監督のあのサムアップのポーズには勝てなかった。というより、このポーズが92〜93年の象徴となってしまったのだから、勝てるハズがなかった。ノムさんの心中は察するに余りある(もっとも10月12日に長嶋監督復帰が正式発表されたときから野村ヤクルトのV=10月10日=に十分水を差されてはいたのだが……)。

 それでも、ノムさんは舌打ちばかりもしてはいられない。93年、ツバメの子どもたちをすっかり掌握した野村監督は・・・

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