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ソフトバンク・佐藤義則投手コーチ「練習しなかったら落ちていくだけ」

 

現役生活22年。阪急・オリックス一筋に右腕を振り、重ねた白星は165勝。エースとして君臨した山田久志の背中を追い、太く、長く生き抜いてきた。引退後は育成手腕を各球団で発揮。阪神(2003年)、日本ハム(06、07年)、楽天(13年)、ソフトバンク(15年)で所属期間にチームは日本一、もしくはリーグ優勝を達成。投手育成に一家言を持つ名コーチの指導論。
取材・構成=菊池仁志、写真=湯浅芳昭



直球重視


2014年の日本一チームに請われて昨季、入団した。チームに求めたのは投手陣全体で四球を100減らすこと。14年はリーグ2位のチーム防御率3.25をマークしたものの四球が469。これはリーグワースト3位の数字だった。打者と勝負することが投手の根本。そのために必要なものを身につければ、おのずと投手としてのランクが上がる。

 バッターとの勝負なんだから、抑えるとか打たれるとか、それは仕方がない部分もあることなんだよね。ヒットを減らすことは簡単ではない。だけど、フォアボールを出さないことは努力すればできる。昨季もキャンプから四球をシーズン100個減らすことを目標に取り組んできて、昨季は427までしか減らすことができなかった。残り60ほど、これは今季も引き続いてやっていこうとしていることです。

 そのためにブルペンで気を付けさせていることは、2球続けてボールとコールされないようにすること。ストライクゾーン以外は全部ボール球。宇宙空間まで全部ボール球なんだから、ボール球を投げることは誰でもできる。だから、2球に1球はストライクを投げるように気を付けさせています。いくらいいコースに決まっても、ボール球はボール球。そうしたら次はストライクゾーンに投げ込むようにしましょうということです。

 春のキャンプでは若手は第3クールまで変化球を一切禁止にしました。テーマはストレートをコンスタントにコースに投げ込むことです。加えて強いボールを投げ込むことが大事だと説きました。ポイントはその2つ。

 これはウチの投手たちに限ったことではないと思うんだけど、いまの投手はすぐに変化球を投げたがるよね。ブルペンに入っても60球とか70球で終わっちゃう。その半分が変化球だから、ボールは強くならない。そういうふうに昨季、見ていて思ったから、工藤(公康)監督にも相談して、その取り組みの許可をもらいました。

 試合の対打者の組み立てでも、ストレートが中心である以上は、そこに頼らないといけないケースは多々あるんですよ。そしてストレートはすべてのコースに投げ込む必要があります。“内外、高低”。そんな球種はストレートだけでしょう。変化球はある程度、球種によって投げるコースは決まっています。でもストレートの使い方は無限大です。それを困ったときに思ったコースに投げられるピッチャーは強い。本当にストレートをもっと大事にしてほしいよね。130キロ台のストレートでもしっかり腕を振って、ボールに強いスピンがかかっていればファウルを取ることはできるんだから。

 これは実戦に入ったときに顕著になります。勝っているピッチャーはちゃんとバッターに向かっていってファウルが取れる。そうして早くカウントを追い込んで有利に勝負できる。向かっていけないピッチャーはボール球を続けてカウントを悪くして相手有利で勝負を進めてしまう。それができるかどうかで試合の勝ち負けがはっきりと分かれるわけではないけど、バッターとの1対1では勝負できるピッチャーのほうが上回っていけるよね。その積み重ねで考えれば、勝てる投手ってそういう部分が大事だと思うね。そこに真っすぐの強さがつながってくるんだよ。

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