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【首脳陣に聞く】中日・大塚晶文(投手コーチ)「それほど他球団と力の差があるとは思わない。目標はリーグ優勝、そこからの日本一です」

 

立浪ドラゴンズ誕生とともに声が掛かったのは2021年秋のこと。落合英二ヘッド兼投手コーチとタッグを組んで、主にブルペンを支えた1年目、チームは6年ぶりの最下位に沈んだ。逆襲を誓う今季は投手陣を中心に守り勝つ野球を徹底していく。その意味でも、大塚晶文投手コーチの役割は限りなく大きい。
取材・構成=牧野正 写真=榎本郁也、BBM

選手とのコミュニケーションを大切にし、一方的な指導にならないことを念頭に置く。つかず離れず、抜群の距離感で選手を見守る


競争で居場所を勝ち取る


 ドラゴンズの得点力と長打力不足は今に始まったことではない。ここ数年の課題であり、広いバンテリンドームを本拠地にしている以上、投高打低のチーム特徴は変わらないだろう。立浪和義監督はこのオフ、阿部寿樹京田陽太をトレードで放出し、楽天から涌井秀章DeNAから砂田毅樹の投手2人を獲得した。チーム内にも大きな衝撃が走ったこのトレードは、投手陣をより充実させ、守り勝つ野球を追求していくという指揮官からのメッセージでもある。一軍投手コーチとして2年目を迎える大塚晶文コーチも、それは十分に感じている。春季キャンプで選手たちの動きを見つめるその眼は優しくもあり、厳しくもある。

 昨年はまだ1年目で分からない部分も多かったですが、今年はキャンプのメニューづくりからすべて任されましたから、自分なりに考えてやっています。秋のキャンプは体力強化と個々の課題がメインで追い込むこともできましたが、この春はもう競争。それぞれが自分の居場所を勝ち取るためのキャンプ。その中でも選手をケガさせることなく、万全の状態で開幕を迎えてもらうということには重点を置いています。投げるほうも走るほうもオーバーワークにならないように。選手の状態、腕の振り、肘、肩、ちょっとしたしぐさなども見逃さないように。ランニングもドラゴンズは結構きついですから。

 投手陣が充実している? 顔ぶれ的にはそろっていると思います。これでもまだライデル・マルティネスジャリエル・ロドリゲスがいないですから(WBCキューバ代表のため)、2人がいればブルペンはもっと圧巻ですよ(笑)。

 昨年は小笠原(小笠原慎之介)が10勝して自覚も出てきて、野球に対する姿勢も高くなってきました。もちろん大野(大野雄大)、柳(柳裕也)も負けていません。2人はこれまでの実績もあってこのキャンプでの調整は任せていますが、この3人を引っ張ってくれているのが・・・

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