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【首脳陣に聞く】中日・井上一樹(二軍監督)「育成重視だけど勝利にもこだわる。負け慣れした意識を変えていかないと」

 

迫り来るシーズン開幕に向けて、戦っているのは選手だけではない。監督、コーチら、指導者たちに聞く短期のシリーズ・インタビューを今年もお届けする。第1回は再びドラゴンズのユニフォームを着ることになった二軍監督だ。一軍と同じく2年連続最下位に沈んだ二軍を、どのように立て直していくのか。
取材・構成=牧野正 写真=宮原和也、佐藤博之、BBM

「堅苦しいのは好きじゃないけど、締めるところは締めないと」と井上二軍監督。選手の動きに目を光らせる


阪神での貴重な3年間 2度目の中日二軍監督


 満を持しての復帰と言っていいだろう。現役生活20年は中日一筋を貫き、引退翌年の2010年から4年間は指導者として残った。11年には1年間ながら二軍監督も務めてウエスタン・リーグを制覇し、ファーム日本一にも輝いている。14年からは野球解説者として活動し、外から中日を見続けてきた。親交が続いていた矢野燿大監督の強い要請もあり、阪神の一軍打撃コーチに就任したのは20年のこと。21年から2年間はヘッドコーチとして矢野監督を支えた。今年からは11年ぶりに古巣に戻り、再び二軍監督として指揮を執る。立浪和義監督との絆は強い。

 自分の中で阪神での3年間というのはイレギュラーなんです。ドラゴンズ以外のユニフォームを着るなんてことは考えたこともなかったし、ドラゴンズ愛を貫いてドラゴンズ一筋というのが自分の強みだという自負もありましたから。それが矢野監督の1年目(19年)の夏場くらいだったかな、「大阪に来てくれんか、力を貸してくれんか」と言われて。矢野さんは先輩ですけど、現役時代からよくつるんでいましたし、ずっと連絡を取り合っていた仲。それでも僕の中ではなかった話でしたが、これからの野球人生、名古屋だけしか知らないというのは果たしてどうなのか、他球団で学ぶこともプラスではないのか、そして何より矢野監督の熱心な誘いもあって、最後は決断しました。今でも当時指導した阪神の選手たちは気になるし、かわいいですよ。阪神での3年間は指導者として視野を広げられたし、野球人としても貴重な3年間でした。

 立浪監督には昔から公私ともどもお世話になってきて、今年は3年目で勝負の年ということで「戻って来い」という感じでしたね。若手を見てもらいたいということで二軍監督を要請され、「やらせていただきます」と快諾しました。2年連続最下位という現状は気になっていましたし、自分も立浪監督の力になりたいという思いは強かったですから。最初はヘッドコーチと言われるのかなと。誰もが一目置く存在の中でも、自分は監督に突っ込んで話せるという気持ちも持っていますから。でも若手を指導するのは自分でも性に合っていると思いますし、気心知れた落合さん(英二、投手兼育成コーチ)もいますからね。

 二軍監督は一度、11年にやっているんですよ。当時はまだ若かったですから・・・

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