昨年の春季キャンプでは伊東勤監督から「若いころの秋山(幸二)に似ている」と絶賛された超素材型。それから1年後、さらに鍛えあげられた抜群の身体能力を生かし、次代の大物は念願の「一番・中堅」をつかもうとしている。 取材・文=吉見淳司 写真=内田孝治 実は怒られていた?初打席初球本塁打 12年首位打者の角中勝也、11、12年GG賞の岡田幸文をはじめ、多士済々のロッテ外野陣。個性豊かな選手がそろう中で、攻守走すべてで光るのが、プロ2年目の加藤翔平だ。昨年は一軍初出場でお立ち台に立つ鮮烈デビューを飾ったが、本人にとっては納得のいかない1年だった。 プロ初打席初球本塁打のとき(5月12日対
楽天、QVCマリン)、実は試合前に堀(幸一、打撃コーチ)さんに「初打席でホームランだけは打ってくるなよ」と言われていたんです。
(伊東勤)監督やほかのコーチたちは「おお! ナイスバッティング! 良かったな」と握手してくれたり、頭を叩いてくれたんですけど、堀さんだけは「バカ野郎! お前打つなって言っただろ」と(笑)。
教えてもらったのですが、「初打席初本塁打を打った選手はその後に苦労する」というジンクスがあるみたいですね。でも、「人は人、自分は自分」だと思っているので、まったく気にしていません。
昨年の成績は、僕の中では及第点までは遠かったですね。初打席やフレッシュオールスターなどの節目でホームランを打つことができてインパクトはあったと思うんですけど、試合に出続けて、一軍にずっといることはできなかった。