チャンスは目の前にあった。一度は手が届いていた。つかみかけていた。しかし、生かせなかった。自ら手放してしまった。チームが、周囲が、何より自分自身が大きな期待をかけていた昨季。自分の“芯”を見失い、厳しい現実を突きつけられることになった。最後の最後で見えたわずかな光明が、2017年の糧となる。 文=杉浦多夢、写真=高塩隆、BBM プロ野球の世界を知る、確かな経験を積んだ1年目
「チャンスはたくさんあったんですけど。モノにできなかったというか、自ら手放したというか……」 2015年オフ、
今江年晶がFAで
楽天へ、クルーズも
巨人へと移籍し、
ロッテの内野は一気にレギュラーポジションが2つも空いた。さらに二塁のレギュラーと目された新外国人のナバーロが、不祥事によりチームから開幕1カ月の出場停止処分を科されていた。
2016年シーズンの開幕戦、QVCマリン(17年からZOZOマリン)での
日本ハム戦(3月25日)で、
中村奨吾は九番・二塁で先発に名を連ねる。
「チームから期待されていることは分かっていた」という中村は、2年目にして開幕スタメンの座を勝ち取った。しかし、それは飛躍への第一歩ではなく、悩み苦しむことになる苦闘の1年の始まりだった・・・
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