支配下登録されて2年目となる今季、一軍で56試合の出場を果たすも、シーズン最後はケガで二軍落ち。完全燃焼できたとは言い難く、喜びは半減。だが、背番号00の視線は先を向いている。負けん気が自らを奮い立たせる。そうやって、今までも野球人生を過ごしてきた。 文=上岡真里江、写真=BBM 背が小さかったからプロ野球選手になれた
決して表面には出さない。だが、その胸には、常に強い反骨心と自信が秘められている。
ソフトボールを始めた小学3年時から、小柄な体が悩みの種だった。
「ソフトボールをやめて、(背が伸びそうな)バスケットに行こうと考えていたぐらいです。僕以上に親が気にしていて、カルシウムがめちゃくちゃ入っている飲み物を値段が高いのに、わざわざ毎月買ってくれていました」 現在163センチとプロ野球界の中でも最小兵の部類だが、それでも「親がいろいろ気を使ってくれたからこそ、ここまで背が伸びたのかもしれない」と両親への感謝の思いは絶えない。さらに、今では「小さかったからプロ野球選手になれた」と逆に胸を張る。というのも
「僕の性格からいって、たぶん体が大きかったら、ここまで努力していないと思う」からだ。
「大きいヤツに負けたくない」 誰よりも強い負けん気が、常に考えを巡らし、積極的にトライする人間性を養った。「大きい人に勝つために、どうすればいいのか」と模索することで、人とは違う視点を持ち、オリジナリティーを発揮。その姿こそ、
水口大地の最大の魅力といえよう。
不思議と、追い込まれれば追い込まれるほど、力を発揮してきた。
甲子園出場が果たせなかった心残りから、長崎・大村工高を卒業後も野球を続けたいと、四国・九州アイランドリーグの長崎セインツに入団。だが、3年目の2010年に・・・
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