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野球浪漫2018

オリックス・伏見寅威 “干し餅”のプライドを胸に 「常にポジティブに考える。前向きに考えたほうがいいじゃないですか」

 

自信も意地もあった。だが、投手とかみ合わぬリードが続く中で、一つの“気づき”から変わった意識。“絶対”でなくてもいい──。干し餅のように、必要とされるときを待ち、自らの役割を全うする。胸に秘める思いが、今季の飛躍を支えていた。
文=喜瀬雅則、写真=石井愛子


心に刺さった格言


 2つのルーティンから朝が始まる。リビングに鎮座する3枚のお札の真ん中は、伏見家にふさわしく「京都伏見稲荷」。目覚めると、まずはその神棚に向かい、両手を合わせる。

 きょうも元気に、楽しく野球がやれますように──。

 そう誓うと、続いて「日めくりカレンダー」をめくる。そこに添えられた『言葉』を読み、迎える新たな一日への意欲をかきたてる。

「いつ読んでも、ポジティブになれるんです。すごく尊敬できる方ですし、一度、ぜひお会いしてみたいと思っているんです」

 敬愛してやまない、その“言葉を発する男”とは、元プロテニスプレーヤー、現在はスポーツキャスターとしても活躍する松岡修造だ。カレンダーには、常に元気過ぎる松岡が発する、常人の発想ではちょっと思いつかないような“格言”が、1カ月、31日分、日ごとに記されている。

 ある朝のことだった。伏見寅威の手がふと止まった。ページは『17』。つまり、17日の言葉だった。「これだ!」。自分が、今置かれている立場が、その短い言葉にこもっているような気がしたのだ・・・

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