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野球浪漫2018

ヤクルト・井野卓 ひたむきな努力、13年目の結実 「(野村監督の)教えは今でも生きているし、大きな影響を受けたのは間違いない」

 

プロの世界を渡り歩いて3球団目。いずれにも、絶対的な正捕手が存在した。戦力外とは常に隣り合わせ。それでも心が折れることはなく、努力を続けてきたからこそ今がある。プロ13年目、井野卓にとって、最も充実したシーズンとなった。
文=菊田康彦、写真=桜井ひとし、BBM


安心できるキャッチャー


 夜ともなれば、そこかしこに秋の気配が感じられるようになっても、カクテル光線に照らされたグラウンドの上は熱気に満ちていた。

 10月2日の神宮球場。守護神の石山泰稚が最後のバッターをサードゴロに打ち取り、今シーズンの2位を決めたヤクルトナインが、マウンドに集まってハイタッチを交わす。その中に、キャッチャーマスクを脱いで端正な顔をほころばせる、井野卓の姿もあった。

「充実したシーズンだと思います。一軍にずっといさせてもらってるし、試合に使ってもらってますから。それに・・・

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