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野球浪漫2018

阪神・飯田優也 思い切り腕だけを振るのみ 「拾ってもらった阪神で、日本一がもう一度叶えられたら」

 

育成から支配下となりソフトバンクで日本一も経験した。一方で、投手としての生命線である“投げ方”を忘れてしまった時期もあった。そこからはい上がる中で、今季途中に阪神へトレード。来季、もう一度チームとともに日本一を目指す。
文=長友孝輔(サンケイスポーツ)、写真=BBM


自分を追い込み過ぎた


 暗闇にいた。自分自身が迷子の子猫のようだった。飯田優也のプロの投手としての命は、あのとき完全に消えかかっていた。胸に飛び込ませてくれる、受け止めてくれる人がいたことだけが、救いだった。

「正直に倉野(倉野信次)さんに全部を打ち明けました。『投げ方が分からないです』って……。全身の動きを意識しながら投げていたら『キャッチャーミットに投げるって、どうやるんやっけ?』となってしまった」

 育成ドラフト3位で2013年にソフトバンクに入団。翌14年5月11日、母の日に支配下登録された際には「いいプレゼントになりました」と満面の笑みを浮かべた。使い続けてくれた秋山幸二前監督の期待に応えようと、先発で2勝5敗、防御率3.24。いきなりリーグV、日本一の歯車となった。翌15年は工藤公康監督の下、V2に貢献。剛腕ぞろいの鷹ブルペンで、勝ちパターンの8回を任されることすらあった。

 同年35試合、16年30試合と2年連続で30試合以上に登板。存在感を見せつける一方で・・・

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