未来のカモメのエースを期待されながら、思うような結果を残すことができないまま、地元出身の右腕は11年目のシーズンを迎えた。そこに訪れた指揮官の打診、思いもよらない転機。得た経験を糧に、2019年シーズンは再び先発マウンドに立つことを誓う。 文=田口礼(フリーライター)、写真=井田新輔、BBM 指揮官からの打診
それは29歳の誕生日だった。7月5日の
オリックス戦(京セラドーム)。
唐川侑己は4試合目で今季初勝利を飾った。ただ、試合後にチームメートとハイタッチする表情は、どこか曇りがちだった。2カ月ぶりの一軍先発マウンドで6回2失点は合格点にも思えたが、制球に苦しみ、先制点を許し、到底、納得いく内容ではなかったからだ。こんなものではない。周囲が思う以上に、自分自身が不甲斐なさを感じていた。
「チームの足を引っ張ってきましたし、やってきたことをすべて出そうと思いました。ここで(この時期)初めて勝つようでは情けない。誕生日どころではありません」 5月5日の
日本ハム戦(札幌ドーム)までに3戦3敗と結果を出せなかったシーズン。この4試合目は背水の陣の思いが強かった。だから通常は登板3日前に行うブルペンでの投球練習を登板前日にも行うなど、最後までもがいた。そして白星はつかんだ。
ただ試合後、
井口資仁監督から告げられたのは・・・
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