横浜からの移籍が転機となり、楽天移籍後、主力選手として球団初のリーグ制覇、日本一に貢献した。迎えた2019年、同じ二塁のポジションに強力なライバルが現れた。キャリア15年目のベテラン内野手は、どんな境地でシーズンの臨もうとしているのだろうか。 文=金野正之(河北新報社)、写真=井沢雄一郎、BBM 逆風が吹いていた。2018年オフの契約更改交渉、36歳の
藤田一也が受けた提示は野球協約の減額制限を超える40%の大幅減となる6600万円だった。1歳下の
今江年晶が直前に球団史上最大幅の1億5000万円減をのんだばかり。前年にクライマックスシリーズのファイナルステージまで進んだチームは、
星野仙一元監督の弔い合戦としてリーグ制覇を目指したこの年、3季ぶりに最下位転落していた。その余波であるのは間違いなかった。
「ふがいない1年」と藤田も自覚していた。途中辞任した
梨田昌孝監督から
平石洋介監督代行になり、巻き返しの勢いに乗った8月、肋骨を痛めて離脱。90試合出場に終わっていた。
3度のゴールデン・グラブ賞に輝いた二塁にライバルも現れた。
西武から移籍の
浅村栄斗だ。127打点で自身2度目の打点王に輝き、主将として西武をリーグ制覇にけん引したばかりのリーグを代表する強打者だ。外国人選手の並みいる不調で得点力不足に泣いた東北楽天には願ってもない28歳の主砲候補。「浅村は二塁」。オフに昇格した平石洋介監督も明言していた。
「最高の助っ人が来てくれた。浅村はこれから一番脂が乗ってくる」。追い込まれた立場の藤田は・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン