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野球浪漫2019

西武・平井克典 一番になりたい 「もし、一番だったらハングリーじゃなかったと思います」

 

プロ2年間でチームに欠かせない中継ぎ右腕としての地位を築いた。しかし、まだ満ち足りない。くすぶっていた時期も、ずっと一番になりたいと思っていた。野球人である限り、頂点を目指し続ける。
文=インプレッション・平尾類 写真=大泉謙也


投球スタイルを再認識した1年


 1月下旬。メットライフドームを眼下に一望できる部屋で、平井克典がふと漏らした。

「夢がかなうときって実感がないと思うんですけどどうですか? 僕は今でも私生活で野球から離れると、本当にプロ野球選手かなって思うときがある。プロ野球選手であることが信じられないというか、夢の世界みたいな感じなんです。高校、大学はプロなんて全然行けるような実力じゃなかった。多分、僕がプロ野球選手になれるなんて誰も思わなかったですよ。雄星(菊池雄星)、筒香(筒香嘉智)、今宮(今宮健太)、大瀬良(大瀬良大地)……僕らの学年のエリートたちとまさかプロでやると思わなかった。今でも不思議な感じがしますね」

 西武は昨年に10年ぶり22度目のリーグ優勝を達成。平井にとっても野球人生で初めて味わう勝利の美酒だった。「優勝は野球人生でなかったと思います。大学の二部では優勝しましたけどね。おめでとうといろいろな人たちに言葉をかけていただいたり、オフのイベントに出て、あらためて優勝したんだなと実感がわきました」と穏やかな表情を浮かべる。

 自己最多の64試合に登板して3勝1敗21ホールド。6月にファーム降格も経験したが、そこからはい上がり夏場は抜群の安定感で救援陣を支えた。

「いろいろ勉強することは多い年で・・・

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