高卒3年目にして風格を漂わせている。西武の強力中継ぎ陣の一角を占める平良海馬。開幕から快投を続け、自己最速の160キロもマーク。3連覇を狙うチームで勝利へ欠かせない存在となっている。スケールの大きさを見せつける背番号61。その完成形は想像がつかない。 文=上岡真里江 写真=高塩隆、BBM 予想以上の掘り出し物
あっという間の出世劇だった。2018年、沖縄・八重山商工高からドラフト4位で西武に入団。1年目こそファームで10試合(うち先発3試合)を投げるにとどまったが、2年目の昨年7月19日の
オリックス戦(メットライフ)にプロ初登板を果たすと、着々と信頼を勝ち取っていった。ビハインドの状況での起用から、接戦の場面へと立場を変えていき、26試合に登板して自らの存在価値を示した。今季はキャンプ時から主力として見なされ、いまや勝ちパターンの一角としてすでに確固たる地位を確立している。
同じ高卒でも、チームの先輩・
高橋光成、
今井達也のように甲子園をにぎわせたスター選手ではない。だが、そのポテンシャルには1年目から一目置かれていた。最速150キロを超える球速、真っスラ系の伸びのある直球に、首脳陣は「予想以上の掘り出し物」と目を輝かせた。
才ある者には、それを磨くにふさわしい環境が巡ってくるものである。1年目のシーズンオフ、平良海馬の出身地である沖縄・石垣島で自主トレをすることが決まっていた
菊池雄星(現シアトル・マリナーズ)から「一緒にやるか?」と声をかけられ・・・
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