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野球浪漫2020

DeNA・中井大介 横浜ブルーに染まって 「やはりジャイアンツは特別。常に勝ちを求める環境でプレーできたのは大きな財産」

 

プロ野球は結果がすべてのシビアな世界。それは、名門・巨人で四番を務めたスラッガーとて例外ではない。2018年のオフに戦力外となり、たどり着いた新天地。ゼロからの再出発を誓った男は、横浜の地に根を張るように自身の居場所を確立していた。
文=石塚隆 写真=桜井ひとし、BBM


 悔しさが言葉からにじみ出る。

「首位との差を考えると、チームとしてもっと上を狙えたのではないか。もっと食らいついていけたのではないかという気持ちはあります。また個人としても、良いときはあったにせよシーズン全体を見れば、あまりバッティングで起用に応えられず、とくにスタメンのときは勝利に貢献できなかったと感じています。もどかしいなって思うことも多くて……」

 中井大介は、神妙な表情を浮かべ、チームと、そして自分について考えを巡らせた。巨人からDeNAに移籍をして2年目、バックアップメンバーとして出番は限られているが、開幕から一軍に帯同された今シーズン、ベンチの中で若い仲間たちを鼓舞する姿が常にあった。

 自分はチームのためになにができるのだろうか──中井は、すっかり横浜ブルーのユニフォームが似合う選手になった。



導かれるように巨人入り


 三重県伊勢市。1989年、中井は、伊勢神宮が広がる風光明媚ないにしえの地で生まれた。ちなみに同市は、戦前のプロ野球で活躍した伝説の名投手・沢村栄治を輩出した土地でもある。

 野球を始めたのは小学校1年生のときだ。ただ自らの意思ではなく、近所に住む友達が体験練習会に行くことになり、1人では心細いからと誘われたという。

 練習会に参加すると、・・・

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