BIGBOSSこと新庄剛志監督の下、来季に向けての壮大な「トライアウト」が続く日本ハム。その中で、チーム最多60試合(7月18日時点)でマスクをかぶり、正捕手争いで存在感を見せつけているのが巨人から移籍4年目の宇佐見真吾だ。現在は新型コロナウイルス陽性判定を受け療養中だが、扇の要としての守りだけでなく、長打も期待できる「打てる捕手」というのは、魅力的だ。 文=金田正大(スポーツライター) 写真=高原由佳、井沢雄一郎、BBM バリー・ボンズ流
またの名を「グラウンドの監督」と呼ぶ。捕手は、ほかのポジションと比べても特異な存在だ。試合に出場できるのは、ただ1人。宇佐見真吾は、正捕手の座を射止めるため、打撃力をテーマに掲げて2022年シーズンを迎えた。7月2日の
オリックス戦(札幌ドーム)。今季、わずか2被弾の球界を代表する右腕・
山本由伸から、右翼席へソロアーチを架けた。150キロ超の直球に打ち負けないよう、積極的に振りにいった結果だった。自己最多タイとなる4号。開花の兆しある打撃力アップの要因の1つとなったのは、新庄剛志監督の助言だった。
「今年、BIGBOSSが監督になってっていうのが一番大きいんじゃないかなと思いますね。左手の使い方とか教わって、それがうまくハマったのが良かったんじゃないかなと思います」 今年2月の沖縄・名護キャンプで、直接指導を受けた。手本として挙げられたのは、メジャー歴代1位となる通算762本塁打のバリー・ボンズ。メジャーを経験した指揮官の元チームメートで、当時のプレースタイルなどをもとに、身ぶり手ぶりを交えたアドバイスを受けた。近年のチームのウイークポイントであった「打てる捕手」の不在。BIGBOSSから秘めていたパンチ力などを買われ、成長枠の1人に指名された形だった。キャンプ中は毎日のように、全体練習後に打撃練習を敢行した。
宇佐見にとっては、戸惑いからのスタートだった。
「最初は、どうやってやればいいんだろう、というのはありました・・・
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