14年目の今季も当然のように開幕スタメンに名を連ねた。世代交代が推し進められている立浪ドラゴンズにおいて、しかしこのベテランプレーヤーが放つ光は強烈だ。着々と節目の2000安打へと近づきつつあるが、それ以上にチームの勝利を目指し、バットを振り続けていく。 文=川本光憲[中日スポーツ] 写真=佐藤真一、佐藤博之、BBM 37歳の今季ファーストスイングは2000安打達成への号砲だった。3月31日に行われた
巨人との開幕戦(東京ドーム)。その初回、先頭の
岡林勇希がいきなり三塁打を放った。打席に立った大島洋平は外角ボール球を2球、じっくりと見送った。
「いいところに飛んでくれました」 狙いすました3球目をフルスイング。巨人先発のT.
ビーディの高めツーシームを右前へ弾き返した。このゲームは3安打の猛打賞を記録し、最高のスタートを切った。
名球会会員資格の2000安打へ、残り115安打で幕開けした2023年シーズン。愛知・享栄高から駒大、日本生命を経て2010年にドラフト5位でドラゴンズに入団した。プロ14年目となる今季開幕戦は二番・左翼で出場。これまでも、そして今年も、プロの門をたたいてから、決まって開幕スタメンに名前を連ねてきている。3安打を放って存在感を見せつけ、残り112安打とした。グリーンジャケットに袖を通す日をキャリアのひとつの目安に設定し、今季もコツコツとヒットを放っていく。
今年のテーマは「目」
年明け、毎年恒例となっている大阪・日本生命の施設で自主トレをスタートさせた。
「3年後もプロ野球の世界にいられるように」考えてメニューを組むのが大島流である。
かつては、ハンマー投げの室伏広治氏が04年アテネ五輪で金メダル獲得後に取り入れたという「ファンクショナル・トレーニング」を導入。乳児の寝返りなどにヒントを得た、本来、人間の持っている体の動きを参考にしたトレーニング法で鍛えた。ボクシングの井岡ジムで、井岡一翔にも一日入門したことがある。生死をかけるボクサーと汗を流し、精神強化に努めたのだ。
今年のテーマを「目」に決めた。視覚でとらえ、脳が判断し、筋肉にどう動くか指令を出し、その結果として体は動く。数秒ごとに光るボード上のランプをタッチする動作を繰り返し、伝達スピードの維持を狙った。
「ずっと数年後のことを考えてやってきていますから」 目を見開き、23年イヤーを迎えた。
これまでも目は大切にしてきた。レギュラーに定着し・・・
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