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野球浪漫2023

楽天・小郷裕哉 成り上がりの途上「これからは、自分次第かなって思ってます」

 

プロ5年目にしてキャリアハイの数字を残している。立正大からドラフト7位で入団してから、「失うものは何もない」と必死に走り続けてきた。クライマックスシリーズ出場を狙うチームにとって、この男の存在は頼もしく、欠かせない戦力だ。
文=田口元義(フリーライター) 写真=井沢雄一郎、BBM


謙虚な姿勢で


 放物線を描いた打球が外野フェンスを越えてスタンドまで到達する。悠然とダイヤモンドを一周してベンチへ戻り、待ち構えるチームメートと歓喜のハイタッチを交わす。

 締めは、あのポーズだ。

 左腕を胸元へ寄せて十文字を描くように右腕を縦に掲げ、決める。

 オ・ゴー!

 小郷裕哉が時折見せるホームランセレブレーションは、今や楽天ファンの間でもなじみの型となっている。

 起源は曖昧だ。

 選手たちと談笑している中で、仲間たちから「ポーズを決めてください」と促されたのだと、小郷が回想する。あの掛け声とポーズにも、特に深い意味はないのだそうだ。

 そんな「オ・ゴー!」が市民権を得るようになったのは、それだけのインパクトを残しているからだ。もっと端的に言えば、小郷が楽天で結果を残し続けているからである。

 今シーズンが、まさにそうだ。

 印象的な「オ・ゴー!」は8月3日のオリックス戦(京セラドーム)。5回に小木田敦也の147キロのストレートをライトスタンドへとたたき込んだ小郷は、直後の談話で得意気に述べた。

「誕生日は自分で祝うスタイルです」

 そして、「オ・ゴー!」で締める。

 プロ5年目の小郷は、キャリアハイのシーズンを送っている・・・

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