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野球浪漫2026

ヤクルト・長谷川宙輝 信頼を得るために「『あいつ勘違いしている』と思われるくらいに、自分にプラスな言葉を出していきたいですね」

 

移籍1年目の2020年に44試合登板も以降は苦戦。いつしか秋には『戦力外』の文字が頭をチラつくように。昨年11月に契約を更改。この世界で戦う権利を得た。オフはDeNAのエース左腕とともに時間を過ごし、教えを体に染み込ませて、臨む節目のプロ入り10年目。数少ないチャンスをつかむためにも、考える日々が続く。
文=島村誠也(フリーライター) 写真=桜井ひとし、佐藤博之、田中慎一郎


弱さが出た移籍2年目


 2020年1月、ヤクルト二軍本拠地・戸田球場では、高橋奎二梅野雄吾(現中日)といった期待の若手がブルペンで投げ込んでいた。その中に、見慣れない姿があった。

「いいボール投げてるねえ」

 練習を手伝っていた江花正直ブルペン捕手の声。サウスポーは、ソフトバンクから移籍してきたばかりの長谷川宙輝だった。

 この日から私は、「僕はいいボールを投げないと抑えられないと思っているので」と、理想の投球を追い求め、試行錯誤を繰り返す姿に立ち会うことになるのだった。

 聖徳学園高(東京)では、2年秋の東京都大会ブロック予選の日本工大駒場高戦で20奪三振を記録。全国の舞台に立つことはなかったが、16年ドラフト会議でソフトバンクから育成2位指名でプロ入り。

「最初は僕が来ちゃいけないところに来てしまったなと思いましたね。練習量だったり、練習環境、そして、強豪校から来ている選手たちの雰囲気だったり」

 チームは巨大で一、二、三軍で構成されていた。

「上の人を見てしまったら、千賀さん(千賀滉大、現メッツ)、和田さん(和田毅、現ソフトバンク球団統括本部付アドバイザー)であったり……。これは厳しいなと、心のどこかで思ってしまいました。でも、そういう方たちが、僕ら育成選手にもアドバイスをくれた。頑張れば追いつけるかもしれないという気持ちは、かすかにありました」

 ソフトバンクでの背番号は『134』。3年目を終えたオフに育成再契約の方向で進んだが、ヤクルトから支配下選手としての打診があった。

「二軍と三軍とでは、お客さんの数も違いますし、一軍に上がりたいという選手の緊張感が違うように感じられました。まずはホークスで二軍の試合に出ることが一番でしたけど、来年、また三軍が主戦場になるかもしれない。もっと自分にプレッシャーを与えたい。そういう環境で野球がしたい。それを考えると、三軍制を敷いてない球団で野球がやりたいなと思ったんです」

 在籍した3年間、三軍で48試合、二軍は24試合の登板だった。

 ヤクルトでの背番号は2ケタの『90』。2月は一軍キャンプに抜てき。開幕一軍もつかみ、最速154キロの真っすぐとキレのあるスライダーを武器にプロ初勝利も手に入れた。

「僕の中では想像していなかった1年でした。初勝利は西浦さん(西浦直亨、現二軍打撃コーチ)のサヨナラ本塁打の印象が強くて、自分がどう抑えたかはあまり記憶にないんですよね(笑)」

 最終的に44試合に登板。チームのブルペンを支えた・・・

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