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キャンプ、オープン戦と好アピールを続けながら、左ヒザの故障でルーキーイヤーの開幕一軍はならず。それでも、故障の原因を追究し、フォームに微調整を加えて、一軍のマウンドで投げるたびに存在感を高めている。武骨に全力で腕を振る右腕だ。
※成績は6月24日現在
取材・構成=菊池仁志 写真=田中慎一郎、湯浅芳昭

常に全力で腕を振る

──5月11日の西武戦(ヤフオクドーム)、9回二死二塁からプロ初登板を果たしました。マウンドに上がるときの心境はいかがでしたか。

 いつもどおりでいられたと思います。思い切っていくことだけを考えていました。一軍初登板は2球で終わったんですけど。

──秋山翔吾選手を二ゴロに抑えました。

 思い切っていく、それができた結果、アウトが取れたんでよかったと思います。

──初登板の気負いはなかったのでしょうか。

 それは特になかったです。

──勝利の瞬間をマウンドで迎えたときの気持ちは?

 うれしかったですね。それとやっとスタートできたなって、感慨深いものがありました。

──入団1年目ですが、キャンプ、オープン戦と順調にアピールを続けていた矢先、左ヒザの故障で開幕一軍はなりませんでした。

 (3月13日の)中日戦(ヤフオクドーム)で2イニング投げたのですが、1イニング目の最初のバッターに投げたときから変な感じがしていました。順調に来ていましたし、そこでマウンドを降りてもしょうもないと思ったんで気合で投げ切ったんですが、終わった後に何か痛みがあって。結果として左ヒザの外側のじん帯が少し伸びていました。

──何が原因だったのでしょうか。

 問題は僕のフォームにありました。左足を着地したときにヒザの外側に体重がかかり過ぎることが問題だったと思います。それが故障につながったんです。リハビリでは、あらためて下半身の使い方を意識して、キャッチボールから始めました。その意識を持って三軍、二軍でもやってきました。

──フォームも微調整が必要だったのではないですか。

 そうですね。少しですが、修正した部分はあります。下半身を使えるようにするために、ステップ幅を小さくするようにしました。それまではステップ幅が大き過ぎて、左脚を完全に突っ張って投げていましたからね。同じケガをしないように、しっかり意識していかないといけない部分です。

──全力投球するスタイルですから、より意識を強く持つ必要がありますね。

 常に思い切って投げ込んでいくことを意識しています。どんなバッターであっても、意識することはそれだけなんで。プロに入って、より多くのすごいバッターとの対戦がありますが、相手はあんまり気にしないようにしています。普段どおりマウンドに上がるような気持ちで初登板もマウンドに上がれました。

──現在、自信を持って投げ込めている球種を教えてください。

 カットボールと真っすぐですね。僕の真っすぐ自体がカット気味の変化をするので、見た目にはそれほど変わらないかもしれませんが(苦笑)。カットボールは社会人3年目のオフに覚えて、4年目から使い始めたんですが、それがあったからステップアップしてこられた球種です。

──習得に至る経緯を覚えていますか。

 社会人時代の先輩にカットボールを投げている方がいたんですが、握りを教わって投げてみたら案外投げられたんで、使ってみようかと。まったく時間はかからなかったです。

──変化球はカットボールのほかにスライダー、フォーク、カーブ、パームボールを投げますが、球速があるボールの方が投げやすいということはありますか。

 一般的にカーブやパームボールは抜くボールと言われる球ですけど、そのボールも僕の中では投げる感覚は一緒なんですよね。どのボールも指にかけてしっかり腕を振って投げることは変わりません。(※森唯斗投手のパームボールの投げ方を無料公開中!)

夢に見たマウンドで味わう最高の気分

──6月12日現在、13試合に登板。新たな課題などはありますか。

 初失点した試合(6月1日のヤクルト戦、ヤフオクドーム)では、二死まではきっちりと取れたんですけど・・・

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