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オリックス・伊藤光インタビュー 再出発のシーズンへ

 

勝負の年と位置づけている。2011年からオリックスの扇の要に座り続け、正捕手として躍動。だが、昨季は2度の二軍落ち、シーズン終盤には一塁手としての出場も味わった。試合終了時に笑顔の投手の元へ──。その思いを胸に、再出発を誓っている。
取材・構成=鶴田成秀、写真=湯浅芳昭、BBM


捕手への思い


屈辱のシーズンだった。チーム防御率4.18と安定感を欠いた投手陣の陰で、正捕手・伊藤光は2度の二軍落ち。一軍に復帰後も打力を買われて一塁手として起用されるなど、定位置を奪われた。今春キャンプからは三塁手にも挑戦し、オープン戦でも野手としても出場するも、力を込めて言う。「僕は、あくまで捕手」。昨季の教訓を糧に今季に懸ける思いは強い。

──今春キャンプから挑戦している三塁の守備には慣れてきましたか。

伊藤 まだプレッシャーを感じる場面で守っていないので、正直、今は何とも言えないですね。高校時代は野手で試合に出ていたこともあるので、ある程度こなせる自信はありますけど。実戦の中で、どれだけできるかだと思います。

──三塁を守ることは、いつ言われたのでしょうか。

伊藤 キャンプで急に言わたんです。(2月14日の)紅白戦の前に「三塁をやってみるか」「三塁を守ってみようか」と。その日は捕手として紅白戦に出ない予定で、出てもDHだったんです。三塁として守備に就くのも勉強になるなと思って取り組み始めました。

──昨季終盤からは一塁手として出場。捕手ではない位置から野球を見ると、感じることもあるのでは。

昨季終盤から一塁手としても出場


伊藤 野手で出るときは打撃をメーンに考えているので。でも、その中で捕手のサインを見て、打者の反応を見て守っていました。ただ、昨季は試合に出ないことも多かったので。

──ベンチからは、どのように試合を見ていましたか。

伊藤 リード面のことなので、あまり詳しいことは言えませんが、ベンチでも勉強しながら見ていました。自分が出ていないときは、勝己(山崎勝己)さんや若月(若月健矢)がマスクをかぶっていて。「どんな感じで投手をリードしているのかな」と。第三者として見るのは本当に勉強になりました。ただ、勉強と言いつつも捕手がケガをすればすぐに出場することもある。準備は忘れず、いつでも出られるようにして見ていました。

──複数ポジションを守れれば、出場機会も増えます。

伊藤 もちろん、言われたポジションをしっかり守ることは大前提です。でも守備に関して、キャッチャーにしかこだわりはありません。僕は、あくまでキャッチャーなので。それに僕は長打力がない。一塁、三塁手は、ホームラン打者が守るポジションだと思うんです。でも、任されたら、しっかりとやる気持ちはありますよ。打線の中の1人として役割を果たしたい。野手として出れば打撃でも貢献し、捕手として出れば、しっかり投手をリードしていきたいと思っています。

──昨季、捕手として65試合の出場に終わったことに当然、悔しさも。

伊藤 もちろんあります。課題を挙げればキリがないですけど、まずは捕手としての・・・

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