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オリックス・宮崎祐樹インタビュー 笑顔の奥に秘める想い

 

放つ一打にベンチが沸き立つ。積極果敢な打撃で、規定打席未到達ながら打率.352をマーク(4月28日時点)。一番に定着した“ムードーメーカー”が、好調のチームをさらに活気づけている。いかなるときも絶やさぬ笑顔──。その胸の奥には自身の打撃と真摯に向き合う背番号24の姿がある。
取材・構成=鶴田成秀、写真=毛受亮介、BBM


バットを内から出して積極的かつ、粘りの打撃


好調なチームを一番打者としてけん引するプロ7年目の30歳。自らの打撃スタイルをしっかり把握し、そして学ぶことをやめない。4月28日時点で打率.352。シーズンは始まったばかりだが、打席内での意識が、着実に結果に表れている。

──打撃好調です。手応えは感じていますか。

宮崎 まだ僕が出ているのは十数試合。今は打てているので良いですけど、大事なのはこれから。今はミーティングで話したことを試合で実行しているだけで。それが良い結果を生んでいるのだと思います。

──その中で意識されていることはあるのでしょうか。

宮崎 バットを内から出して、ボールの内側を打つことです。しっかりとらえられなくても、内側を打つことでファウルになることもある。それでいいと思っています。

──確かにファウルで粘るシーンを多く見られます。

宮崎 僕だけではないですけどね。誰が何を言うワケではなく、みんなが「何かしたろう」と思って打席に立っている。前の打者が1球で終わったら、次の打者はとにかく粘る。それがチーム全体で自然とできていて、淡泊な攻撃が少ないんですよね。

──一番打者として打席に立つ宮崎選手が、まずその流れを作っているように映ります。

宮崎 といっても、僕は1球目から積極的に打ちにいきたいタイプなんです。僕のときは二番を西野(西野真弘)が打つことが多いので「1球で終わったら、次は(粘ることを)よろしくな」と言っているんです。そうしたら、西野は「任してください」って言ってくれる。アイツなら何とかしてくれると思えるので、僕も積極的にいけるんですよね。

──果敢に打ちにいく中で、迷いが生じたり、バットを振ることが怖くなることはないのですか。

宮崎 そりゃ、ありますよ。でも、そういうときこそ誰かの一言に勇気をもらえるんです。

──例えば、誰のどんな一言。

宮崎 福良さん(福良淳一・監督)の一言は大きかったです。「どんどんいっていい。積極性がなくなったらダメ。振っていかないと」と言ってもらえて。だから気持ちを強く持てましたし、振っていこうと思えるんです。

──積極性は数字にも表れ、ファーストストライクの打率は.438。さらに2ストライクは.333と高い率です(4月29日時点)。

宮崎 追い込まれてからはとにかく粘ること。難しいコースはファウルを狙うのではなく、打ちにいってファウルになればOKの意識を持っています。そのためには、ボールを・・・

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