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2015年序盤戦回顧 気になる本塁打の減少

 

どうもおかしい。今年のプロ野球は本塁打が少ないことだ。11、12年のプロ野球は本塁打が激減して問題になったが、13、14年は元の水準近くに戻って問題解消と一安心したが、今年はまた2年前までに逆戻りした。特にセ・リーグの減少ぶりが著しい。下馬評が高かったオリックス広島が低迷しているが、DeNA西武の躍進が目覚ましい。4月に気づいたことを綴ってみたい。(記録は5月6日時点)

減少している本塁打


開幕からホームランが再び減少傾向にある2015年のプロ野球。最終的にどれぐらいの本数になるのか



 日本のプロ野球の1試合平均本塁打数(両チーム合計)は、10年はセ・リーグが平均2.00本、パ・リーグは1.72本であった。



 同年のメジャー.リーグはナ.リーグが1296試合で2404本(1試合平均1.85本)、ア.リーグは1134試合で2209本(1.95本)であった。それが11年になると日米で大きな差がつくようになった。セの平均は1.12本、パは1.05本と、両リーグとも大幅に減少し、12年もさらに下降線をたどった。メジャーの平均は12年でナが1.88本、アは2.20本と、ア.リーグは増えていたほどだ。

 日本のプロ野球実行委員会は、14年1月20日に、アグリーメントに記載されている統一球の平均反発係数を「0.4134〜0.4374」から「0.4034〜0.4234」に修正することを承認した。

 統一球は2011年に導入され、反発係数が基準値(0.4134〜0.4374)の下限に近づくように目標が立てられたが、実際には製造時の品質のばらつきを考慮し、基準値の下限0.4134の上下0.01を許容範囲としていた。13年は目標を基準値の下限より高い「0.415〜0.416」とした。ボールの芯を覆うゴム材を変えて反発力を高めたのである。

 効果はてきめんで13年の1試合平均本塁打は、セ・リーグは12年の1.05本から1.65本、パ・リーグも0.99本から1.38本へと増加。14年もセは1.71本、パも1.44本と上昇し、ボールの問題は解決したと思っていたが、15年が開幕するとまったく逆の結果が出ている。1試合平均を昨年と比較するとこうだ。

▽セ・リーグ 1.71→1.02本
▽パ・リーグ 1.44→1.39本
※5月18日現在

 セ・リーグなど、昨年に比べほぼ半減である。今年はまたボールの反発係数が変わったのかと思わせる。

 巨人は昨年、144試合で144本と1試合ちょうど1本打っていたものが、今年は42試合で19本とは1試合当たり0.45本と半減している。昨年はセ・リーグで最多の153本を放った広島は1試合当たり1本以上になるが、今年は40試合で20本とは平均0.5本と、昨年の2分の1である。予想を裏切る低迷も不思議ではない。この異変はどこまで続くのか。今後を見守りたい。

鈴木尚広のホームラン


 ぜひここに登場させていただきたいことがある。巨人・鈴木尚広の本塁打である・・・

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