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「2015セ・パ交流戦」展望

 

今年もセ・パ交流戦が5月26日から始まる。11年目を迎える交流戦だが、1球団の試合数を昨年までの24試合から1カード同一球場3連戦の18試合制に変更された。巨人日本ハム戦を例に取れば、今年は6月9日から11日にかけて札幌ドームで3連戦が行われるが、来年は東京ドームでの3連戦だ。さらに今年からよりリーグ対抗の色合いを強めるため、6球団の合計勝利数で上回ったリーグの勝利数1位球団に賞金1000万円が贈られる。

台風の目はDeNA


絶好調のDeNA。若い力も台頭し、交流戦でもどんな戦いを見せるかに注目が集まる



 今年の交流戦で最も注目されるのはDeNAであろう。08年から13年まで6年連続で10位以下に沈んでいたDeNAは交流戦の通算勝率も.395で、12球団ワースト。この間に勝ち越したのは07年の一度だけであり、08年からは3年続けて勝率.250で最下位であった。



 パ・リーグ各球団にとってはカモでしかなかったDeNAが、昨年は交流戦でも13勝11敗と7年ぶりに勝ち越し、セ・リーグでも勝率.472で07年以来となる高い勝率。今年は現段階でペナントでも首位である。

 05年に交流戦がスタートしたとき、両リーグの実力差を測定する絶好の機会と思われたが、結果はロッテが圧倒的な1位だった。この年のロッテは交流戦前のペナントでは勝率.750で第1位。交流戦前日の楽天戦に負けるまで12連勝と破竹の勢いであった。その勢いはセ各球団を相手にしても衰えず、24勝11敗1分けの.686で第1位。2位もソフトバンクの.657であったが、3位は阪神、4位は巨人、5位ヤクルト、6位は横浜とあって、トータルではパが105勝、セが104勝で7引き分けと、両リーグの力はほとんど均衡していた。

 ロッテはチーム打率が3位、防御率も2.66で1位と、投打に調子が乗っていた。投手10傑の1位に渡辺俊介、3位に小野晋吾、7位に清水直行、9位に久保康友と4人が進出していたほど。しかも、この投手陣が打撃面でもハッスルしていた。ロッテ投手陣は50打数6安打で打率.120であった。

 打率は驚くことないが、6安打のうち二塁打が5本で5打点。いつもはバットを握る巨人投手陣は36打数6安打で.167と最低の義務は果たしていたものの、長打ゼロで打点もゼロ。ロッテ投手陣のバッティングは光っていた。久保は6打数2安打(1二塁打)で.333で2打点、小林宏之は10打数3安打で3安打はすべて二塁打で3打点だ。

 交流戦が近づくと、普段は持たないバットで盛んに打撃練習をしていた努力が報われた。しかし、2年目の06年になると、ロッテ投手陣も37打数3安打で.081と、打力の冴えを失ってしまう。それでもロッテは勝率.639で交流戦2連覇を飾った。

 3年目の07年は日本ハムが.783で優勝、08、09年はソフトバンクが連覇し、10年はオリックス、11年はソフトバンクが3度目の優勝。12年になって巨人が交流戦8年目でセのチームとして初優勝。13年はソフトバンクが4度目の優勝で、14年は巨人が2度目の優勝だ。つまり、過去10年間でパの球団は西武、楽天を除いて優勝しているが、セ・リーグでは2度の巨人を除いてはどこも優勝していない。

 10年間のトータルはパ804勝730敗50分.524、セは730勝804敗50分.476とパ・リーグが強い。



 しかし、セの足を引っ張っていたDeNAが今年は断然強いので、果たして今年はどうなるか。いまから興味津々である。

交流戦に強いソフトバンク


 強いパ・リーグにあっても、圧倒的なのはソフトバンクである・・・

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