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記録の手帳 / 千葉功

連続試合出場の価値を問う

 

阪神鳥谷敬の名前が7月24日の広島戦(マツダ広島)の先発メンバーから消え、2012年の開幕戦の3月30日以来の全イニング連続出場が667試合で止まった。この記録の頂点には金本知憲現監督の1492試合連続という途方もない数字があるが、史上2位のチームの大先輩、三宅秀史の700試合更新が目前であっただけに惜しまれる。その一方で、打撃不振の鳥谷がチームの足を引っ張っていたのも事実である。

全イニング出場が667試合で止まった鳥谷敬。レギュラー奪回のためには低迷する打撃の復調が待たれる


六大学野球のスターとして華々しいデビュー


 早大出の鳥谷敬はアマ球界屈指の内野手として注目されて、2003年秋に行われたドラフトで自由枠で阪神に入団した。

 埼玉・聖望学園高で3年夏に甲子園に出場した鳥谷は早大でも1年からレギュラーになり、全96試合に先発出場。2年春には三冠王になり、4年秋の03年には史上10人目の2度目の首位打者に輝いた。守備、走塁への評価も高く、三遊間から一塁への素早い送球、果敢に次の塁を狙う走塁は神宮球場のファンを大いに沸かせた。

 本人は「ショートにこだわりたい」と話していたが、当時の阪神には遊撃手として前年に126試合に出場して打率.301をマークし、リーグ優勝にも大きく貢献した藤本敦士がいた。しかもオープン戦で鳥谷は打率.242であり、守備でも3試合連続のエラーと攻守に出遅れていた。しかし、4月2日の巨人との開幕戦で鳥谷は七番・遊撃手でスタメン出場。結果は5打数1安打だったが、チームの黄金ルーキーに対する期待の大きさを感じさせるスタメン起用だった。

 だが順風満帆にはいかなかった・・・

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プロ野球アナリスト千葉功によるコラム。様々な数値から野球の面白さを解説。

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