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記録の手帳 / 千葉功

2017年シーズンへの課題(5) ソフトバンク&巨人

 

昨年のソフトバンクは4月19日から8月24日まで首位を独走。6月24日には3位の日本ハムに11.5差もつけていたのに逆転されて2位に終わった。前半戦は勝率.692なのに、後半戦では29勝30敗1分けと勝率5割を割ってしまったのはなぜだろうか。一方の巨人も開幕4連勝でスタートして5月21日まではセ・リーグの首位を走っていた。ところが8月以降に大きく負け越し、最後は広島に17.5ゲームもの大差をつけられてしまった。巨人は積極的な補強でペナント奪回を目指しているが、現有戦力を度外視した補強が果たして実を結ぶのか。気になる2017年シーズンの行方である。

ビジターに強くホームで苦しんだ1年


大きく躍進した千賀滉大もロードでは防御率1点台だが、本拠地では痛打を浴びるシーンも目立った


 6月末には2位のロッテに8.5差をつけて優勝間違いなしと思われたソフトバンクだが、7月には11勝11敗、8月には11勝14敗と足踏みして結局2位でフィニッシュ。終わってみると意外な弱点をさらけ出していた。ホームゲームに弱かったことである。ビジターゲームには43勝26敗3分けで勝率.623だが、ホームも決して悪くはないが40勝28敗3分け。ビジターよりホームの勝率のほうが悪かったのは2016年のパ・リーグではソフトバンクだけである。

 特に本拠地のヤフオクドームでは37勝25敗3分けで.597にしかならなかった。11勝14敗と負け越していた8月には4勝6敗だ。しかし開幕直後は本拠地でも力を発揮していたソフトバンクである。5月には11勝2敗であり、6月も9勝1敗。それが7月1日からの日本ハム3連戦に3連敗し、しかも2、3日には無得点に退けられてから本拠地でも決して強くないチームになってしまった。日本ハムとの熾烈な優勝争いをしていたシーズン最終盤の9月も5勝4敗1分けだった。

 本拠地で数字を落とす投手が多かったのが気になる。和田毅はメジャーでの4年間のブランクがあるのに、帰国してすぐに最多勝と返り咲いた。この和田はロードで防御率2.68の7勝2敗であり、ホームでも8勝3敗だったが、防御率は3.36だ。ヤフオクドームで8勝もしていたのだから騒ぎ立てられるほどではないが、和田同様に主力先発投手たちがことごとく本拠地では防御率がダウンしている。

 防御率リーグ3位の千賀滉大もロードでは防御率1点台がヤフオクドームでは3点台後半。ほかにも中田賢一東浜巨武田翔太も本拠地での防御率は3点を上回るが、ロードの防御率は2点台であった。(A表参照)


 なぜ本拠地で主力投手がそろって力を落としてしまうのか・・・

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